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    [大学への道]<2>教育に力 広がる可能性

    ◆「カレッジ」こだわる

     知的障害を持つ若者は大学や専門学校などへの進学が難しいため、大学の代わりの施設として開設されたカレッジ福岡(福岡市東区)では、どのような運営が行われているのだろうか。

     カレッジ福岡は、障害者総合支援法に基づいた障害福祉サービスとして、1、2年生は「自立訓練事業」を、3、4年生は「就労移行支援事業」を利用した4年制の障害者福祉施設だ。社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会(福岡県鞍手町)が2012年に設立した。学生がサービスを利用することで、自治体から訓練等給付金が施設に支給され、授業料は原則無料となる仕組みだ。

     施設側は、開設の申請を福岡市に行ったところ、「カレッジ」の名称について「福祉施設であって学校ではない」と当初難色を示されたという。長谷川正人理事長(55)は「大学の受け皿となる設立の趣旨などをねばり強く説明し、許可が下りた」と振り返る。この後、全国各地で「カレッジ」の名称がついた同様の福祉施設の開設が続いた。

    ◆自らテーマ 論文発表

     「自立訓練事業」だけ、「就労移行支援事業」だけを行う障害福祉サービスの施設は全国に多く存在するが、就労への訓練が中心だ。だが、カレッジは一般教養など教育に力を入れている点に大きな違いがある。

     カレッジ福岡には、特別支援学校高等部や私立の普通高校を卒業した、障害が比較的軽度から重度までの学生35人が通う。

     教養課程(1、2年生)では、一般教養として社会規範や生活のルールなどを学び、文化・芸術の授業などもある。専門課程(3、4年生)では、店舗で働くための店舗実務や介護実務など就労に向けた科目が増える。また、長い時間をかけて企業でインターンシップを行い、ワープロやパソコンなどの資格・検定の取得にも力を入れている。

     また、毎年2月に論文発表会を開いており、学生は自主的に、「声優について」など関心のあるテーマに取り組み、発表する。3年の女性(20)は「熊本地震で地震について興味を持ったので、半年間調べて来年発表したい。カレッジに入って自分の可能性が広がった」と、しっかりした口調で語った。

     今春、第1期生の男女3人が卒業し、福岡県内の自動車販売会社や事務機器メーカーの社員、総合病院の看護助手として就職した。

    ◆国語・算数力磨く

     滋賀県大津市の社会福祉法人共生シンフォニーも14年に、障害者総合支援法の障害福祉サービスを利用した4年制の「くれおカレッジ」を開いた。基礎学力を養うために、公文式の国語と算数を授業に取り入れているのが特徴だ。中崎ひとみ常務理事(51)は「知的障害の若者の教育には時間が必要だが、学生の能力は少しずつでも向上している」と説明する。

    2016年07月12日 Copyright © The Yomiuri Shimbun