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    長崎大が新練習船建造、乱獲対策へ漁法検証

    • 長崎大が建造している新練習船の完成イメージ図(長崎大提供)
      長崎大が建造している新練習船の完成イメージ図(長崎大提供)

     長崎大は、乗船実習や海洋調査に使用している水産学部の練習船「長崎丸」の老朽化に伴い、新しい船を建造している。中国漁船などの「虎網とらあみ」と呼ばれる漁法による乱獲を防ぐため、水産資源を保護する漁法の検証にも取り組むのが特徴。2018年3月に完成予定で、同大は「東シナ海の水産・海洋科学をリードする人材の育成に活用したい」としている。

     虎網は、袋状に広がる網を漁船の船尾に取り付け、集魚灯に集まったサバやアジを一挙に捕る漁法。日本の巻き網と比べて少ない人数と時間で漁ができ、中国、台湾、韓国の虎網漁船が東シナ海などで操業している。

     乱獲につながる恐れがあるため、日本国内では禁止されているが、水産庁によると、近年、日本の排他的経済水域(EEZ)付近や三陸沖でも中国の虎網漁船が急増しているという。

     このため、長崎大は建造中の練習船に、虎網と形状が似ている「まきひき網」を搭載し、東シナ海で成魚だけを捕る網目の大きさや、操業を避けるべき時期などを検証する。その結果を基に、中国、韓国政府への提言、漁業関係者の指導を行う考えだ。

     新練習船は1139トン、全長61メートル。最新の海洋観測機器を導入し、モーター駆動で騒音や振動を軽減させる。現在の練習船が東日本大震災発生直後、支援物資を福島、岩手県に運んだことも踏まえ、医薬品の運搬や治療に使用できるコンテナを搭載。災害支援にも対応できるという。

     同大水産学部の松下吉樹教授(水産学)は「これまでは虎網の定義があいまいで、対策を講じるためのデータもなかった。新しい練習船を活用して正確に検証し、中国、韓国などの漁業関係者を指導できる人材を育てたい」と話している。

    2017年02月03日 Copyright © The Yomiuri Shimbun