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    大分市が保育士キャリア向上研修、修了者に給与上乗せ

     大分市は、民間保育所で働く保育士を対象にした国のキャリアアップ研修を行っている。修了者には保育士の経験年数などに応じ、月額給与に5000円または4万円が上乗せして支給される。同市の待機児童数(今年4月1日現在)は全国の市区町村で7番目に多く、市は保育士の処遇改善を図り、離職者を減らすなどして待機児童数の解消につなげたい考えだ。

     研修は国の処遇改善制度に基づくもので、大分市では県内の自治体に先駆けて8月に始まった。「乳児保育」「障害児保育」「保護者支援・子育て支援」「食育・アレルギー対応」など8分野あり、12月までに各15時間の講義を実施する。

     国や県の補助金を基に、保育士の経験年数がおおむね7年で4分野以上を修了した人には4万円、経験年数3年以上の修了者には5000円が、毎月の給与に上乗せされる。11日からは、県内の保育士を対象とした県主催のキャリアアップ研修も始まる。

     国が実施した2016年度の調査では、県内の保育施設に勤務する保育士(調査対象約2000人)の平均月収は約20万円で、県内の全産業の平均月収を約6万円下回った。

     県によると、県内で保育士資格を持っている1万4489人のうち、保育所を辞めるなどした「潜在保育士」は約1万人を占める。県のアンケートでは「給与などの待遇面」を離職理由に挙げた人が約1割おり、県こども未来課は「仕事量に対して賃金が低いと感じている保育士は多い」と話す。

     研修では各グループで日頃の保育の問題点を話し合ったり、子どもたちが好む歌や遊びなどを教え合ったりしている。

     県は16年度から、離職から1年以上経過した人が復職する際などに、最高40万円の「保育士就職準備金」を貸し付ける事業も実施している。2年以上従事した場合は返還が全額免除され、これまでに計55人が利用した。

     県こども未来課の担当者は「自治体と連携しながら、保育士がキャリアに応じて処遇される仕組みを構築したい」と話している。

    2017年11月10日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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