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    ベッコウトンボ激減、絶滅危惧種確認1400匹→4匹…北九州・響灘ビオトープ

    • 響灘ビオトープで見つかったベッコウトンボ(響灘ビオトープネイチャーセンター提供)
      響灘ビオトープで見つかったベッコウトンボ(響灘ビオトープネイチャーセンター提供)

     北九州市若松区の響灘ビオトープ(約41ヘクタール)で、環境省の絶滅危惧種に指定されているベッコウトンボの確認数が3年連続で激減している。同所は国内有数の生息地とされ、かつては約1400匹だった確認数が、今年の調査ではわずか4匹にまで減った。関係者は「生息場所が他の場所に変わった可能性もあるが、はっきりとした理由は分からない」と話している。

     同ビオトープのネイチャーセンターによると、ベッコウトンボは体長約4、5センチで、羽にべっ甲のような模様があり、3~5月頃に観察される。かつては全国で見られたが、ため池や湿地の減少などで、生息数は減り、現在は静岡、山口、福岡、大分、鹿児島の5県のみで確認されている。

     ビオトープはかつて産業用の埋め立て地で、くぼ地に雨水がたまって湿地となり、昆虫や動植物が生息するようになった。希少生物も多く、市は覆土を施し2012年にビオトープをオープンさせた。

     15年の調査では、最多の1393匹が確認されたが、16年は414匹、昨年は48匹に減少。今年はボランティアのビオトープ愛護会メンバーら約30人が4月15日~5月5日に、湿地や草地に入って計3回調べたが、最多は4匹だった。ギンヤンマやハラビロトンボなどの数も例年より少なかったという。

     垂水清一センター長は減少の要因について、ウシガエル、ギンブナ、ツバメといった動物が増えたことを指摘。生態系が変化し、減少した可能性があるという。また、確認数が多い場所に、猛禽もうきん類のチュウヒ(絶滅危惧種)のつがいが営巣しており、調べられなかったことも理由に挙げた。

     調査に同行した日本トンボ学会会員の新海義治さんによると、今月上旬、ビオトープの外や同市門司区でベッコウトンボが確認された。

     今回の結果について、新海さんは「調査範囲はビオトープの一部。実際にはもっと多くのトンボがいるはずで、すぐに絶滅ということにはならない。他の生息地でも1年で大幅に増減した例はあるので、しばらくして増加に転じる可能性もある」と分析している。

    2018年05月12日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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