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    上峰町が教育費クーポン、中学1・3年生に3万円分…塾や習い事に利用可能

    • 業務委託の契約を結んだ今井代表理事(左)と武広町長
      業務委託の契約を結んだ今井代表理事(左)と武広町長

     塾や習い事などにかける家庭の負担を軽減しようと、佐賀県上峰町は3万円分のクーポン券を町内の中学1、3年生計185人に提供する。家庭の教育費の65%を校外の活動費が占めるとする国の調査もあり、学びのコストを助成することで、子育て支援に手厚い町をアピールする。(杉尾毅)

     上峰町は、中学校に進学した生徒が早くなじめるよう2014年度から学習塾と連携、ネットで個別に指導する無償の補充学習を上峰中の1年生に導入している。受験対策として15年度から3年生も対象にしている。

     ただ、受講は年間5コマ(1コマ40分)で、拡充を求める声が寄せられる一方、学習以外の習い事への支援を要望する意見も出るようになった。

     こうしたニーズに応えるため、町は補充学習を年間10コマに増やし、「スタディクーポン」という無償で提供するクーポン券で受講料を払えるようにした。

     クーポンは音楽やスポーツなど習い事への利用も可能で、全額を充てることもできる。1000円券の30枚つづりで、保護者の所得制限は設けない。IDやバーコードで管理され、他人への譲渡はできない。

     町から委託された東京の公益社団法人「チャンス・フォー・チルドレン」(CFC)が保護者にクーポンを送付。塾や習い事への支払いを代行する。対象となる塾や習い事の教室は、生徒へのアンケートや公募を基に審査して決めるという。

     町とCFCの契約締結式が6日、町役場で開かれ、武広勇平町長は「子育て支援策を県内の自治体が競い合い、佐賀が教育大県になるきっかけになれば」と期待を込めた。

     町内の中学校は上峰中だけ。CFCの今井悠介代表理事は「クーポンの発行は1校だけなので、かなり密な連携ができると思う。全国のモデルになれるよう全力を尽くしたい」と述べた。

    ◆経済的理由での教育格差是正へ

     「チャンス・フォー・チルドレン」(CFC)は、経済的な理由による教育格差を是正しようと、寄付を原資にクーポンの配布を始めた。

     前身の団体が2009年に開始し、現在は東日本大震災で被災した低所得世帯や関西の生活保護世帯を支援。小学生には15万円分、中学生と高校生は1、2年生に20万円分、3年生に30万円分を配布しているが、寄付頼りで、今年度は1000人を超える応募に対し、150人にしか渡せなかった。

     CFCの今井悠介代表理事は「取り組みが国や自治体の施策として広がることを願っている」と話す。

     東京都渋谷区は今年度から低所得世帯の中学3年生に学習塾や家庭教師代などに使えるクーポンを配布。インターネットで資金を募るクラウドファンディングを活用している。大阪市も所得制限を設けて、月額1万円を上限に助成している。

    2018年06月13日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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