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    スポーツ総合

    プロの技でシュート! QTnet presents ミニバスケットボールクリニック

    ◆Bリーグ選手ら、楽しく指導

     「QTnet presents ミニバスケットボールクリニック」が7月2日、福岡市で開かれた。参加したのは福岡県を中心に、「ミニバスケットボール」のチームでプレーする子どもたち。国内のプロリーグや実業団で活躍する選手たちから、指導を受けた。トッププレーヤーを夢見る子どもたちは、バスケの魅力に改めて触れながら、懸命にボールを追いかけた。

    ◆小学生280人参加

    • トップ選手の指導を受ける子どもたち(2日、福岡市城南区で)=秋月正樹撮影
      トップ選手の指導を受ける子どもたち(2日、福岡市城南区で)=秋月正樹撮影

     ダン、ダン、ダン……。アリーナにボールの弾む音が広がる。会場となった福岡大総合体育館(城南区)には、約280人の小学生が集まった。

     「おっ! 上手になってきているね」。長身の選手たちが声をかけると、こわばっていた子どもたちの表情が緩む。「ドリブルのコツは、ボールを強くたたくことだよ」

     アドバイスするのは、バスケットボール・BリーグのB2(2部)所属「ライジングゼファーフクオカ」と、実業団「九州電力アーティサンズ」の選手ら計約20人。ライジングはBリーグが創設された昨季、B3(3部)で戦い、46勝6敗の好成績で初代王者に輝いた。アーティサンズは2015年、全日本社会人選手権で連覇を果たすなど、実業団の強豪として知られる。

     クリニックは、7月1日で創立30周年を迎えた九電グループの通信会社「QTnet」(福岡市)が、地域貢献活動の一環として今年初めて開いた。プロと実業団のトップ選手がそろうとあって、「経験1、2年」の初級クラス、「経験2年以上」の上級クラスに、予想の200人を大きく上回る申し込みがあった。

    ◆山笠ランニング

    • 片方の腕だけで何度もシュートを繰り返した
      片方の腕だけで何度もシュートを繰り返した

     子どもたちの興味をひくようにと、ウォーミングアップからユニークなメニューが盛り込まれた。「博多祇園山笠」のかけ声を取り入れ、「オイサッ、オイサッ」とランニング。ボールをバトンにしたリレーで体を温めた。

     初級では、片方の手で選手とジャンケンをしながら、もう片方の手でドリブルを続けるなど、基礎動作が身に付くような練習を繰り返した。上級クラスでは、パスを受けてからフェイントで相手をかわし、シュートまで持ち込むといった、実践的な動作を学んだ。

     「楽しさを知れば、どんなにつらい練習も乗り切れる。幼い頃は、バスケの魅力を肌で感じることが何より大切」と、ライジングの加納督大まさひろ選手(32)。だからクリニックは、テクニックを教えることはもちろん、バスケの魅力を伝えることを大切にしていた。

    ◆ダンクに「すごい」

     選手5人に10~20人の子どもたちが挑んだミニゲーム。コートを埋めた子どもたちの間を、選手たちは巧みなドリブルで突破し、パスをジャンプでキャッチしてそのままゴールするアリウープやダンクシュートを次々に決めて見せた。「すごい!」「やばすぎ!」。歓声に応えるように、シュートを決めた選手は子どもたちだけでなく、母親らともハイタッチを交わし、イベントを盛り上げた。

     アーティサンズの柚木ゆのき毅・アシスタントコーチは「ここで出会った子どもたちと、将来、プロや実業団の舞台で再会したい」とエールを送った。

     ミニバスケットボール 小学生を対象にしたバスケットボール。1チーム5人での対戦は一般のバスケと同じだが、ゴールの高さは一般(3・05メートル)より低い2・6メートルに設定されている。日本ミニバスケットボール連盟によると、2016年8月末現在、全国8661チーム、14万4004人が選手登録している。

    「夢中になれることやり遂げて」、重病3度「奇跡のコーチ」

     会場には、難病の「マルファン症候群」による3度の解離性大動脈りゅうを乗り越えた、元日本代表アシスタントコーチの下地一明さん(40)も姿を見せ、トークショーで「夢中になれることを、やり遂げて」と訴えた=写真=。

     同症候群は、生まれつき筋肉や血管などが弱く、組織が膨らんだり、伸びたりする病気。沖縄県出身の下地さんは、中央大生時代に1回目の大動脈瘤を発症。復帰後、日本リーグの「OSGフェニックス」(当時)で活躍中に2回目を発症し、選手生活を引退した。新潟アルビレックスBBでコーチをしていた2006年に3度目を発症したが、懸命なリハビリで後遺症を克服。「奇跡のバスケットボールコーチ」と呼ばれている。

     下地さんは、ボールを枕元に置いて寝るほどバスケ漬けの日々を送った中学時代を紹介。倒れても、またコートに戻ることを選ばせるバスケの魅力について、「色々な人の支えを受けながら、一つのボールをゴールに届けること。思いを込めて打てば、シュートは必ず入る」と熱っぽく語り、「夢中になれることを最後までやり遂げれば、その人にしかわからない『何か』が見える。そこに向かって頑張って」と呼びかけた。

    小中高生チーム、九州・山口4000以上

     九州・山口には、小中高校生がプレーする4000以上の部活とクラブチームがあり、インターハイなどの全国大会で上位に食い込む強豪も多い。

     福岡が拠点の「ライジングゼファーフクオカ」は、ホーム戦の平均観客数で1300人台を維持。九州には、ライジングとB2リーグを争う「熊本ヴォルターズ」、沖縄にはB1の「琉球ゴールデンキングス」があり、プロのプレーに触発されてバスケを始める子どもたちも大勢いそうだ。

     2020年東京五輪では、3人制の「3×3(スリー・バイ・スリー)」が採用された。ゴールの整備された公園などで気軽に始められるのが、魅力。福岡県バスケットボール協会関係者は「東京五輪を追い風に、バスケ全体の競技人口を増やし、競技力の底上げにつなげたい」と期待している。

    ◆プレー速かった

     福岡市立平尾小(中央区)3年、鈴木達也君(9)(平尾ミニバス)

     「教えてくれた選手は優しくて、楽しかった。みんな体が大きく、一つ一つのプレーがとても速かった。教えてもらったことを身に付け、いっぱいシュートを決められるようになりたい」

    ◆ターン上達したい

     福岡市立南当仁とうじん(中央区)6年、榊原颯太君(11)(南当仁ミニバス)

     「選手は大きくて迫力があった。ドリブルしながらのターンが速く、自分もできるようになりたい。『ライジング』がもっと好きになった。これからもずっと応援する」

    ◆高レベルの選手に

     福岡市立宮竹小(南区)3年、福田柚花さん(8)=右=と2年、行徳理央さん(8)(宮竹ミニバス)

     「良いプレーをすると選手とハイタッチができて、盛り上がった。ウォーミングアップだけでも色々なやり方を教えてもらい、勉強になった。プロや実業団と同じレベルの世界で活躍できる選手になりたい」

    ◆ドリブル頑張る

     福岡県小竹町立小竹北小6年、森樹弥たつや(11)(宮田ブルーサンダース)

     「プロの選手と1対1で練習できたのがうれしかった。ドリブルやシュートのテクニックが上手で、驚いた。これからも練習を頑張って、ドリブルが得意な選手になることが目標」

    ◆確実に得点決める

     福岡県春日市立春日小6年、小石結愛さん(11)(春日ミニバス)

     「難しい練習もあったけど、面白かった。毎日の練習に取り入れたい。チームではゴール下のポジションなので、教えてもらったことを忘れず、確実にシュートを決められる選手を目指す」

    主催QTnet

    共催:読売新聞西部本社

    後援:福岡県バスケットボール協会、福岡県教育委員会、九州電力

    協賛:九電産業、九州メンテナンス、三森屋、ジャパンビバレッジ九州

    協力:福岡県ミニバスケットボール連盟、ライジングゼファーフクオカ、福岡大学

    2017年07月15日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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