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    「猫の殺処分ゼロ」地域ぐるみの猫イベント

    • 講演を行った「ちよだニャンとなる会」副代表理事の香取章子さん
      講演を行った「ちよだニャンとなる会」副代表理事の香取章子さん
    • 熱心に耳を傾ける来場者たち
      熱心に耳を傾ける来場者たち

     2月22日は、日本では「にゃん、にゃん、にゃん」で「猫の日」。その前後には各地で猫にちなんだイベントが開かれる。東京・千代田区役所内のイベントスペースでは20、21日の両日、「ちよだ猫まつり」が開催され、2日間で約1万2000人が来場した。

     2001年からボランティアで猫の保護活動を行っている一般社団法人「ちよだニャンとなる会」副代表理事でフリージャーナリストの香取章子さんが20日、21日の両日、「千代田区との協働の取り組み~5年連続殺処分ゼロの背景」をテーマに講演を行った。香取さんは「猫は家族、終生大切にして」と訴え、会場の約100人が熱心に耳を傾けた。

     官庁やオフィスビルが並び、都会のど真ん中にある千代田区は、猫が多いイメージはあまりない。ところが区内では、年間100匹もの猫が保護されている。全国でも珍しく区と区民を中心としたボランティアらが協働し、11年から5年連続「猫の殺処分ゼロ」を続ける「猫に優しいまち」なのだ。その取り組みを紹介しよう。

    保護活動は「TNR」から「TNTA」へ

     最近では、丸の内や大手町地区の大規模再開発で行き場を失った猫たちを保護し、感染症の有無や健康状態をチェックした後、譲渡会などで新しい飼い主を探している。

     保護された猫には子猫はほとんどおらず、9割が成猫だ。猫は繁殖力が強く、不妊・去勢手術を行わないと、「ねずみ算」ならぬ、「猫算」式に数が増えてしまう。地域で猫と人間が共存していくには、猫を捕獲(rap)して不妊・去勢手術(eute)を行い、耳をV字にカットして手術済みの目印とし、元の場所に戻す(eturn)「TNR」いう方法が一般的になってきた。

     ところが、香取さんはそれでは不十分だという。「オフィス街が中心の千代田区では猫の餌やりは禁止しておらず、飲食店も多いので、餓死する猫はほとんどいません。しかも、病気より交通事故で命を落とす猫が圧倒的に多いんです。だから、元の場所に戻してもまた事故に遭う。それではダメなんです」。そこで“rap(捕獲)、euter(不妊・去勢手術)、ame(人にならす)、dopt(譲渡)”の頭文字を取った「TNTA」が重要だというわけだ。

    5年連続「猫の殺処分ゼロ」へ

     千代田区では、他の地域でよく問題になる猫のふんや、餌やりトラブルなどの苦情は、あまりない。しかし、「猫が病気で倒れている。なんとかして」「事故でけがをしている猫がいるから助けて」など、心配した住民から保健所に電話がかかってくることがよくある。連絡を受けた保健所の職員が現場に駆けつけて猫を保護→動物病院で治療→ボランティアが一時的に保護→人にならした後に譲渡会やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、新しい飼い主を探すという連係プレーが行われている。この活動が功を奏して、今年度末には5年連続の「殺処分ゼロ」を達成する見通しだ。

     区では00年度から、不妊・去勢手術や、入院などに助成を行っているが、「助成金と、寄付金だけでは全然足りません。一匹でも不幸な猫を減らすため、みなさんの協力が必要です」と香取さんは訴えた。今回のチャリティーイベントでは、猫グッズなどの販売会などが行われた。収益は猫の治療費などに充てられるという。(メディア局編集部 遠山 留美)

    2016年02月22日 13時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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