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    モータージャーナリストの御堀直嗣さんが、話題の新車に試乗、乗り心地、性能ついて詳しくお伝えするコーナーです。

    小さくても開放感 ダイハツ・トール(Vol.511)

    • 右がターボエンジンを搭載したダイハツ・トールカスタムで、左は自然吸気エンジン搭載のトヨタ・ルーミー
      右がターボエンジンを搭載したダイハツ・トールカスタムで、左は自然吸気エンジン搭載のトヨタ・ルーミー
    • 力強く、快適な走りをもたらしたガソリンターボエンジン
      力強く、快適な走りをもたらしたガソリンターボエンジン

     ダイハツのトールは、小型車5ナンバー枠のミニバンといえる位置づけの新型車だ。軽自動車など小さなクルマを得意とするダイハツが、軽自動車のタントなどで培ってきた背が高く室内の広いクルマ作りを、小型車で実現した一台といえる。

     ダイハツのトールは、トヨタではルーミーおよびタンク、スバルではジャスティとして、車名は異なるが同じ車種で販売される。

     今回試乗したのは、ダイハツ・トールカスタムと、トヨタ・ルーミーである。トールカスタムは、排気量1000ccの直列3気筒ガソリンにターボチャージャーを装備したエンジンが搭載され、ルーミーには排気量1000ccの直列3気筒ガソリンの自然吸気エンジンが搭載されている。

     まずどちらのクルマも、運転席に座ると前方の視界がよく、斜め前方の見通しもよい。日々の移動で市街の道を走る際に、クルマの周囲が見えやすく安心感が得られるだろう。また、フロントウィンドウが前の方にあって、前席に座る人より遠いため、車内が広く感じられる。

     後席に座ってみると、左右別々に24cmの前後スライドを調整できるようになっており、もっとも前寄りにしても、身長167cmの私が運転席を最適に調節した位置で、膝前にこぶし2個ほどの隙間があり、ゆとりを残す。24cmのスライドをもっとも後ろへ移動させれば、リムジン車のような広々とした空間によって開放感を味わえる。

    • フロントウィンドーが大きく、前の見通しの良い運転席
      フロントウィンドーが大きく、前の見通しの良い運転席
    • 前の席は、運転席と助手席の間を通って後席への移動ができる隙間が設けられている
      前の席は、運転席と助手席の間を通って後席への移動ができる隙間が設けられている

     自然吸気エンジンは、発進からまもなくのエンジン回転数でやや出力の谷を感じ、しっかり加速させるためには、よりアクセルペダルを踏まなければならなかった。当然、エンジン回転数も高くなり、室内騒音も大きくなる。それに対しターボエンジンは、軽くアクセルペダルを踏んでいるだけで滑らかに速度に乗せることができた。

     市街地での発進・停止が繰り返される走りでは、ターボエンジンを積んだクルマの方がより楽に、なおかつエンジン回転もあまり上げずに済むので、室内の静かさが保たれ快適だろう。交通の流れに乗ってしまえば、そこからの再加速などにおいては自然吸気エンジンもよく力を出して、小型車として文句ない加速性能をもたらしてくれた。

    • メーカー注文装備のパノラマモニターは、車両後方に加えて真上から見下ろした画像も映し出され、周囲の確認もできて安心
      メーカー注文装備のパノラマモニターは、車両後方に加えて真上から見下ろした画像も映し出され、周囲の確認もできて安心
    • 後席のサイドウィンドーに装備されたサンシェイドは、使わない時は下げて収納できる
      後席のサイドウィンドーに装備されたサンシェイドは、使わない時は下げて収納できる

     操縦性の面では、タイヤ寸法が違うことが関係しているかもしれないが、細めのタイヤを装着している自然吸気エンジン車ではハンドル操作をした際の応答が遅れ、その結果、カーブで車体の傾きが大きく感じられて、やや不安な気持ちになる。背の高いクルマで起こりがちの傾向ではあるが、ターボエンジン車はやや太めのタイヤを装着していることにより、ハンドル操作に対する応答もよくなり、カーブでの車体の傾きも急すぎず安心できる。

     エンジン性能や操縦性の面で、自然吸気エンジン車よりターボエンジン車の方が印象は良かった。同じ車格で、自然吸気エンジン車とターボエンジン車とでは十数万円の差がある。ターボエンジン車の運転のたやすさや快適さとこの価格差をどう見るか、クルマの使い方などを含め人によって価値判断が変わってくるだろう。

     後席は、背もたれを前方へ倒して荷室を広げるアレンジが可能だが、その操作には力が必要で、操作の仕方も初めてのときはわかりにくかった。力の弱い人には、やや操作が難しいかもしれない。

    • 後席へ乗り込む際に便利な手すりは、下半分が子供も握りやすいようにグリップが細くなっている
      後席へ乗り込む際に便利な手すりは、下半分が子供も握りやすいようにグリップが細くなっている
    • 後席は、前後に24cmのスライド調整ができる
      後席は、前後に24cmのスライド調整ができる

     ダイハツの軽自動車同様にドアが大きく開いたり、床を低くして乗り降りしやすくしていたり、後席が大きくスライドしたり、使う人がより便利で楽に乗れるクルマを目指して企画されたクルマだということは、伝わってくる。だが、それぞれの機能の詰めの部分で、さらなる改良が進むことを期待したい。

    • 後席のスライドを利用することで、荷室の広さを調節することができる。荷室の床下に小物入れもある
      後席のスライドを利用することで、荷室の広さを調節することができる。荷室の床下に小物入れもある
    • 前のドアは90度近く開き、後ろのスライドドアとともに開口が広く、乗り降りや荷物の出し入れがしやすい
      前のドアは90度近く開き、後ろのスライドドアとともに開口が広く、乗り降りや荷物の出し入れがしやすい
    2017年01月10日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    御堀直嗣   (みほり・なおつぐ
     1955年、東京都生まれ 。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。 スキューバダイビングや乗馬を楽しむアクティブ派でもある。
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