文字サイズ
    モータージャーナリストの御堀直嗣さんが、話題の新車に試乗、乗り心地、性能ついて詳しくお伝えするコーナーです。

    信頼感のある乗り味 VWティグアン(Vol.513)

    • 今回の試乗車は、新型ティグアンの最上級車種であるTSIアール・ラインで、車両価格は463.2万円(消費税込み)
      今回の試乗車は、新型ティグアンの最上級車種であるTSIアール・ラインで、車両価格は463.2万円(消費税込み)

     フォルクスワーゲンの小型SUVであるティグアンが、フルモデルチェンジをした。小型といっても、車体の幅は1.8メートルを超える。また前の造形が、グリルやヘッドライトを横へ強調する意匠となっているためいっそう恰幅(かっぷく)よく見える。

     ただし、車体全長は4.5メートルなので、それほど長いわけではない。また、車体の角が斜めに切り落とされたような造形となっているため、試乗の途中で路地に入り込んだが、案外うまく角を曲がることができた。それでも、いざ車庫に納めてみると、大柄に感じるかもしれない。

    • 搭載されているエンジンはグレードを問わず1機種のみで、排気量1400ccの直列4気筒ターボ。最高出力は150馬力。トランスミッションは、6速DSG(ツインクラッチ式オートマチック)
      搭載されているエンジンはグレードを問わず1機種のみで、排気量1400ccの直列4気筒ターボ。最高出力は150馬力。トランスミッションは、6速DSG(ツインクラッチ式オートマチック)
    • 背の高いSUVは、運転席からの見通しもよい
      背の高いSUVは、運転席からの見通しもよい

     それほど立派に見える新型ティグアンではあるが、エンジンは排気量が1400ccで、これにターボチャージャーを装備することにより150馬力の最高出力を得ている。また、試乗をした最上級グレードのTSI R‐Line(ティー・エス・アイ アール・ライン)でも車両重量は1.5トン強に抑えられているので、これほど小さな排気量のエンジンでも加速は十分だった。

     このエンジンは、一定速度でそれほどアクセルペダルを踏まない運転状況では、4気筒エンジンのうち2気筒を休ませる気筒休止機構を装備し、燃費を稼いでいる。運転中、その2気筒分が停止したり再始動したりしていたはずなのだが、切り替えによる振動など変化は感じず、上手に制御されていると思った。この機構は、同社のゴルフでも先に採用されているが、そちらも自然な運転感覚だった。

     試乗をしたR‐Lineのタイヤは幅が広く、扁平(へんぺい)なサイズで、乗り心地は少しごつごつとした印象があるが、路面の突起などでガツンと衝撃を受けるほどではなく、乗り心地は悪くない。そして、都市高速に入り速度を上げていっても走りは安定しており、高い速度でカーブを曲がっても安心していられた。

     愛好家の多いゴルフと同じように、常に安心で信頼感のある乗り味は、フォルクスワーゲンならではと感じる。座席も十分な大きさで、きちんと身体を支え、体をあずけて運転に集中することができた。

    • 後席も十分なゆとりがあり、前後18センチのスライド調整ができる
      後席も十分なゆとりがあり、前後18センチのスライド調整ができる
    • 運転席は、たっぷりとした大きさがあり、硬めのクッションでしっかり体を支える
      運転席は、たっぷりとした大きさがあり、硬めのクッションでしっかり体を支える

     メーターには液晶ディスプレイが使われ、先にアウディなどで採用されている、速度とエンジン回転計の間にカーナビゲーションの地図画面を表示できるようになっている。ダッシュボード側にもカーナビゲーション画面はあるが、運転者の正面のメーター部に地図が表示されるのは、目を大きくそらせる必要がなく、見やすくていい。

    • 液晶メーターのため、速度計とエンジン回転計の間に、カーナビゲーションの地図画面を表示することができる
      液晶メーターのため、速度計とエンジン回転計の間に、カーナビゲーションの地図画面を表示することができる
    • 後退する際、カーナビゲーション画面に、リアビューカメラの画像と車両を真上から見る画像が映し出され、周囲を確認しやすい
      後退する際、カーナビゲーション画面に、リアビューカメラの画像と車両を真上から見る画像が映し出され、周囲を確認しやすい

    • 広い荷室は、余計な出っ張りも少なく荷物が載せやすそう
      広い荷室は、余計な出っ張りも少なく荷物が載せやすそう

     荷室は、十分に広い。いろいろな物を積んで、遊びに出かけたくなるのではないだろうか。また、試乗車には、リアバンパー下に足を差し入れると自動的にリアゲートが開く装置が備えられており、両手がふさがった際に荷物をいったん地面に置かずに積み込める。

     新型ティグアンで最大の売りは、いろいろ役立つ情報を手に入れられるインフォテイメント機能の充実だ。手持ちのスマートフォン情報を利用できるほか、地図情報や、駐車場の空き具合、ガソリンスタンドの検索などの精度が高まっている。

    • ハンドルのスポークに設けられたスイッチのうち、OKマークの下のボタンを押すと、検索の音声入力ができる
      ハンドルのスポークに設けられたスイッチのうち、OKマークの下のボタンを押すと、検索の音声入力ができる

     また、音声入力による検索などができ、今回の試乗では目的地設定を試した。音声認識はかなり高い水準であったが、入力に対する応答にやや時間を要した。それでも自分のクルマになり、頻繁に利用してコツをつかめば手際よく使えるようになるだろう。

     小型SUVには競合他車が多く、同じドイツ車ではBMW・X1、アウディQ3などがあり、日本車ではトヨタC-HRも競争相手になるとフォルクスワーゲンは見ている。日常的な利用にも便利な小型SUVを探している人にとって、選択肢を増やす一台といえそうだ。

    2017年02月14日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    御堀直嗣   (みほり・なおつぐ
     1955年、東京都生まれ 。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。 スキューバダイビングや乗馬を楽しむアクティブ派でもある。
    大手町モールのおすすめ
    帆布鞄
    週刊@CARS投稿