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    モータージャーナリストの御堀直嗣さんが、話題の新車に試乗、乗り心地、性能ついて詳しくお伝えするコーナーです。

    伸びやかな加速 ボルボS90/V90(Vol.517)

    • デザインが新しくなり大きくなったように見えるが、従来の同クラスS80と車体幅は変わらない4ドアセダンのS90
      デザインが新しくなり大きくなったように見えるが、従来の同クラスS80と車体幅は変わらない4ドアセダンのS90
    • ステーションワゴンは、従来のV70に比べリアゲートが大きく傾斜したデザインに変わった
      ステーションワゴンは、従来のV70に比べリアゲートが大きく傾斜したデザインに変わった

     ボルボから、まったく新しい車種として、S90とV90、そしてV90クロスカントリーが同時に発売された。ただし、4ドアセダンのS90はS80の、ステーションワゴンのV90はV70の、それぞれ後継車両と位置付けられる。そして、車体寸法を調べると、全長はS90/V90とも若干長くなったが、全幅はS80/V70と同じままである。

     とはいえ、先に昨年発売されたSUVのXC90の流れをくむボルボの新デザインを採用したS90とV90は、より大柄なXC90での印象が強いせいか、見た目に大きく感じさせるところがある。そして、上級車種としての趣を従来に比べ強めることに役立っているともいえる。

     今回試乗したのは、S90とV90で、いずれもガソリンエンジン車として最上級グレードのT6 AWDという四輪駆動車だ。エンジン排気量は2000ccで、直列4気筒。これに、スーパーチャージャーとターボチャージャーという二つの過給器を装備し、最高出力は320馬力になる。トランスミッションは、8速オートマチックだ。

     両車とも、ボルボの最上級車種だけに、ドアを開けると上質な雰囲気の室内が迎えてくれる。室内色はアイボリーやタンの色合いの本革仕様で、豪華かつ美しい。また、ダッシュボード中央のカーナビゲーション画面は、昨今はやりの大型画面で、スマートフォンのようなタッチ操作で機能を選択できる。なおかつ、北欧のクルマらしく、画面のタッチ操作は手袋をしたままで行える方式を採用している。

    • 明るい色合いと、細かな部分の仕上げにもこだわった高級感あふれる室内
      明るい色合いと、細かな部分の仕上げにもこだわった高級感あふれる室内
    • しっかり体を支えながら、座り心地のよい座席
      しっかり体を支えながら、座り心地のよい座席

    • スマートフォンのようにタッチ操作で機能を選択する大型画面は、手袋をしたままでも操作できる方式を採用する
      スマートフォンのようにタッチ操作で機能を選択する大型画面は、手袋をしたままでも操作できる方式を採用する

     同時に、ボルボが早くから積極的に採用してきた音声での入力がより的確さを得て、たとえばエアコンディショナーの調整などもスイッチを入れ、言葉で指示を出すと切り替えが行われ、運転中にスイッチ操作へ目線を奪われる心配がなくなる。

     快適装備でとくに印象に残ったのは、シートヒーターとステアリングヒーターだ。エアコンディショナーで室内の空気を暖めるより、体を直に温める方が即効性はある。また、とくにハンドルを握る手はなかなか冬場に温まりにくいが、ステアリングヒーターがあれば、手のぬくもりが体や心までもほっとさせる。なおかつ、そのステアリングヒーターの温度加減が人肌に近く、実に心地よかった。ずっとハンドルを握っていたくなる温かさだ。

    • 排気量は2000ccながら、スーパーチャージャーとターボチャージャーを備え、最高320馬力を出すガソリンエンジンを搭載
      排気量は2000ccながら、スーパーチャージャーとターボチャージャーを備え、最高320馬力を出すガソリンエンジンを搭載

     さて、排気量が2000ccしかない直列4気筒エンジンではあるが、エンジンで駆動するスーパーチャージャーと、エンジンからの排気で作動するターボチャージャーを装備するため、発進から低速ではスーパーチャージャーが威力を発揮し、力強く動き出させる。そして高速道路を含め、中速~高速になるとターボチャージャーの出番となり、伸びやかな加速をもたらす。したがってアクセルペダルをあえて深く踏み込まなくても、期待通りの速度を手に入れることができる。

     加速の間、トランスミッションは8速もある多段式なので、変速ショックはほとんど意識させない。そして速度が安定すればエンジン回転を下げ、燃費走行をする。上質かつ効率的なエンジン/トランスミッションの組み合わせだ。

     ハンドルの操作はやや重めの手応えで、とくに高速道路では真っすぐ安定して走り続け、肩の力を抜いて楽に移動できるだろう。市街地で角を曲がる際などではハンドルが重くなりすぎることもない。ちょうどいい加減のハンドル操作感覚を備える。

     気になった点は、後席に座った際にロードノイズといってタイヤが路面を転がるときに受ける振動が車体に伝わって起こる騒音が案外大きいことだ。また、排気音がそれなりに勇ましく聞こえた。外観や室内の印象から受ける高級さが、そこで損なわれてしまう。

     理由の一つは、タイヤがスポーツカーのように扁平(へんぺい)で、なおかつスポーツカーにふさわしい種類が装着されていたことが原因ではないかと思われる。タイヤを快適性重視の銘柄に替えたら、改善されるかもしれない。そうした改善が今後なされていけば、まさにボルボの狙いにふさわしい北欧の高級車に仕上がるだろう。

    • 後席の座り心地もよいが、荷室付近から入ってくる騒音が気になった
      後席の座り心地もよいが、荷室付近から入ってくる騒音が気になった
    • ステーションワゴンの荷室は十分な広さがあり、床を一部持ち上げて荷物を押さえる機構も備える
      ステーションワゴンの荷室は十分な広さがあり、床を一部持ち上げて荷物を押さえる機構も備える

    2017年04月11日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    御堀直嗣   (みほり・なおつぐ
     1955年、東京都生まれ 。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。 スキューバダイビングや乗馬を楽しむアクティブ派でもある。
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