<速報> 西室泰三氏死去、81歳…東芝・日本郵政で社長
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    モータージャーナリストの御堀直嗣さんが、話題の新車に試乗、乗り心地、性能ついて詳しくお伝えするコーナーです。

    安心と安全を実感 ミライース(Vol.521)

    • 今回試乗したのは、最上級車種のG“SA●”の前輪駆動車(FF車)(●はローマ数字の3)
      今回試乗したのは、最上級車種のG“SA●”の前輪駆動車(FF車)(●はローマ数字の3)
    • エンジンは、摩擦損失を減らすなど細かな改良の積み重ねにより、十分な力を軽やかに発生する
      エンジンは、摩擦損失を減らすなど細かな改良の積み重ねにより、十分な力を軽やかに発生する

     ダイハツの軽自動車「ミライース」がフルモデルチェンジした。2世代目となる新型車は、静粛性に優れ、しっかりとした操作性で、かつ快適な加速性能が売り物だ。低燃費という従来の価値に加え、生活を豊かに支援する大切な軽自動車へ一歩前進した印象を受ける。

     ガソリンエンジン車で、1リッターあたり30km(JC08モード)の燃費性能を達成し、「第3のエコカー」という価値をもたらしたダイハツの軽自動車ミライースが、フルモデルチェンジをして2世代目となった。

     競合のスズキ・アルトが、37km/L(JC08モード)の燃費を実現しているのに対し、新型ミライースは従来の最終型と同様の35.2km/L(JC08モード)のままであることが一部取り沙汰されたが、燃費だけの数値を競うのではなく、加速や快適性など質の向上を新型では目指したとの説明である。

     実際、新型ミライースに試乗して実感したのは、静粛性に優れ、またしっかりとした操作性で、かつ快適に速度を上げていく加速性能だった。

     初代では、ガソリンエンジンでハイブリッド車などと競える燃費性能の達成に開発の精力がそそがれ、走り、曲がり、止まるという基本性能は最低限満たす仕上がりであった。もちろん、軽自動車の基本となる乗用車として商品性は高く評価される水準であったし、デザインも、いまなお古くなったと感じさせない芯の通った姿がある。

     そのうえで、新型は、各基本性能の質が格段に向上したことを実感させるのである。まず、走行中の静粛性が改善され、日常的な利用の範囲から、高速道路でも時速80km前後までは室内はかなり静かで、車内での会話にほとんど支障がない。時速100km近くになるとタイヤからの騒音が大きくなってくるが、それでも耳障りでイライラさせるような雑音をそれほど意識させない仕上がりになっている。

    • 運転者の正面にデジタル表示のメーターを配置し、視認性がよい。また、前方の視界もよい
      運転者の正面にデジタル表示のメーターを配置し、視認性がよい。また、前方の視界もよい

     また、手応えのしっかりした操縦感覚でありながら、乗り心地も悪くない。路面の凹凸は伝えてくるが、振動の衝撃を体に及ばせず、上下動の収まりもよい。ことに、後席の快適性に優れ、座り心地もよく、少々の遠出なら快適に移動できそうだ。

     運転席については、アクセルとブレーキのペダルをやや奥に配置し、ハンドルはやや手前に位置をずらせたことにより、正しい運転姿勢をとりやすくなった。また前の座席はヘッドレスト一体型の形状とすることで、からだをより安定して支えられるようになっている。

    • ヘッドレストを背もたれと一体化した形状とすることで、体をより的確に支持することができるようになった前席
      ヘッドレストを背もたれと一体化した形状とすることで、体をより的確に支持することができるようになった前席
    • ペダル配置をやや奥にすることで、正しい運転姿勢をとりやすくしている
      ペダル配置をやや奥にすることで、正しい運転姿勢をとりやすくしている

    • 後席はクッションの厚みがあり、また体に沿った形状で座り心地がよく、快適に移動できる
      後席はクッションの厚みがあり、また体に沿った形状で座り心地がよく、快適に移動できる
    • 後席背もたれは左右分割式ではないが、前方へ倒し込めば荷室を広げられる
      後席背もたれは左右分割式ではないが、前方へ倒し込めば荷室を広げられる

     こうした基本性能を作り込んだことにより、「燃費のための軽自動車」という従来の価値から、「生活を豊かに支援する大切な軽自動車」へ一歩前進した低燃費車ということがいえる。

     近年注目されている運転支援機能(一部のグレードには非搭載)については、二つのカメラを用い、人や車線逸脱を認識するなど画像による安全支援性を高めている。ほかに、車体四隅にセンサーを設けることで、目で確認するだけでなく、音でも周囲の様子を認識できる装備を用意した。軽自動車で重視される狭い道での運転や、駐車場での隣の車両との車間などの確認でより安心をもたらす装備といえる。

     日々クルマを使う中で、安心と安全を実感するクルマづくりがなされている。軽自動車の基本中の基本車種として、新型ミライースに見るべき点は多いと感じた。

    • 駐車ブレーキをレバー方式とすることで、ペダル踏み込み式に比べて作動状況を一目で確認できるようにした
      駐車ブレーキをレバー方式とすることで、ペダル踏み込み式に比べて作動状況を一目で確認できるようにした
    • 車体四隅にセンサーが装備され(写真ではヘッドライト下の小さな丸部分)、狭い場所での障害物の存在を警告音で知らせる
      車体四隅にセンサーが装備され(写真ではヘッドライト下の小さな丸部分)、狭い場所での障害物の存在を警告音で知らせる
    2017年06月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    御堀直嗣   (みほり・なおつぐ
     1955年、東京都生まれ 。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。 スキューバダイビングや乗馬を楽しむアクティブ派でもある。
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