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    ダイハツの軽自動車の試乗記です。

    スモールカーだからできること

    実用化を視野に出展されたコンセプトカー

    • 乗降性を極めた超低床の「NORI ORI」
      乗降性を極めた超低床の「NORI ORI」

     ダイハツは、世界の人々に愛されるスモールカーづくりを常に目指す。

     その姿勢は、第44回東京モーターショーでも明確に示された。

     ショーカーのメインステージを飾ったのは、「NORI ORI(ノリオリ)」だ。

     クルマは、個人の自由な移動をもたらすところが公共交通機関と異なる点だが、走る前にまず、乗り込むところから始まり、そして目的地に着けば降りるという動作がつきまとう。

     軽自動車をはじめコンパクトカーは、国内のどんな道でも隅々まで走って行ける便利さや安心をもたらすが、その乗り降りが不便では、本当の庶民のためのクルマとはならない。

    • シンプルで視認性のよいインテリア
      シンプルで視認性のよいインテリア
    • 広い室内空間で、車いすをそのまま2台載せられる
      広い室内空間で、車いすをそのまま2台載せられる

     「NORI ORI」は、その原点に改めて注目し、徹底的に乗り降りのしやすさにこだわった。

     ニールダウンと言って、車高を下げる機構により、超低床を実現した。

     また、すでに市販車のタントで実用化され、センターピラーをドアに内蔵するミラクルオープンドアを思い起こさせる前後スライドドアと、車体後部のヒンジドアによる、2ウェイアクセスドアの大開口部によって、クルマの横からでも後ろからでも乗り降りを可能にした。また運転席側も、スライドドアになっているため、狭い場所での乗り降りも便利だ。

     実際の乗降に際しては、助手席側には収納式のスロープを備え、後ろ側にはリフト式のフロアが装備されている。しかも、車内は完璧なフラットフロアで、車内での移動も楽にできる。

     そのフラットフロアにより、車いすを2台載せることができる。

     これからの高齢化社会だけでなく、人々が支え合う将来の暮らしの中で、なくてはならない要素を考えた。まさしく言葉通り、世界の人々に愛されるスモールカーの世界がそこにある。

    商用の軽も、おしゃれに楽しく

    • 車体左側が跳ね上げ式で開き、店を構えられる
      車体左側が跳ね上げ式で開き、店を構えられる

     働くクルマとして、新ジャンルのスペース系商用車を提案するのが「TEMPO(テンポ)」だ。この車名は、まさしく「店舗」の意味。

     FF車の利点を最大に()かし、客室部分の空間を活用した移動販売車だ。車体左側は、LED照明付きの大型ガルウィングドアで、これを跳ね上げれば、停車した場所でさっそく店舗として商売をはじめることができる。

     カウンターテーブルが組み込まれたショーケースも設定。車体側面には、デジタルサイネージを装備し、店の看板として活用できる。

     大都市のオフィスビルなどでの弁当販売や、地方の過疎地域などでの移動商店として、現代のみならず将来的にも人々の生活を支える軽商用の可能性を、おしゃれに提案したコンセプトカーだ。

    発売目前? 軽の次世代の姿

     ミラ・イースの次世代?とも思えるニューベーシックスモールとして出展されるのが、「D-base(ディーベース)」だ。

    • 空力の風洞実験から出てきたような、最新の空力スタイルをまとうD-base
      空力の風洞実験から出てきたような、最新の空力スタイルをまとうD-base
    • スポーティーさの中に、さわやかな環境イメージのインテリアデザイン
      スポーティーさの中に、さわやかな環境イメージのインテリアデザイン

     エコでスマートな、先進的デザインが特徴だ。

     タイヤには細身で大径の次世代型サイズが採用され、e:Sテクノロジーをさらに進化させた次世代環境車である。

     そして、「HINATA(ヒナタ)」は、仲のいい母と娘が、友達感覚で出掛け、天気のいい日に野原でひなたぼっこをする――そんな自然でやさしい気持ちにさせる軽乗用車だ。

    • やさしい気持ちにさせるHINATAのスタイルとボディーカラー
      やさしい気持ちにさせるHINATAのスタイルとボディーカラー
    • 観音開きのドアを開け、シートをベンチにアレンジできる
      観音開きのドアを開け、シートをベンチにアレンジできる

     車体左側のドアは観音開きで、助手席と後席が回転してベンチのようにアレンジすることができる。

     室内のデザインも、自然素材を使ったリラックス空間を演出。街に走り出せば、街行く人の心も温かくしてしまうような、人とクルマの親密さを心に伝えるコンセプトカーとなっている。

     モーターショーでのダイハツの出展は、どれもが人と人、そして人とクルマが支えあうことで、より快適に安心して過ごせる暮らしが目に見えてくるような近未来を描いている。

     日本の軽自動車が、それをもっとも現実的にしてくれる存在であることを、改めて認識させてくれるのだ。

    <モータージャーナリスト:御堀直嗣>

    2015年11月02日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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