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    ダイハツの軽自動車の試乗記です。

    軽をもっと魅力的にする新提案

    軽の彩りを豊かに

    • 都会的なテイストで登場した「キャスト スタイル」
      都会的なテイストで登場した「キャスト スタイル」

     最近、軽自動車が、華やかに見えているのではないだろうか?

     かつて、軽自動車といえば実用性重視で、ボディーカラーもそれほど豊富ではなかった。あるいは、ボディーカラーは(そろ)っていても、あえて好きな色を選ぶというより、消費者が無難な色を選ぶといった買い方がされていたのではないだろうか?

     それというのも、やはり軽自動車の実用性を重んじ、経済性を意識するあまり、次の買い替えでの下取り価格を考え、あえて無難な色を選ぶという行動に出ていたのでは?

     しかし近年は、生活をより豊かにする軽、生活を楽しめる軽が登場し、日常生活に彩りを添える軽が好まれるようになってきた。

     実用性重視のハイトワゴン車であっても、明るい色、華やかな色を選ぶ人が増えてきた。

     ツートンカラーの採用や、室内にもより明るい色、淡い色が用いられるようになっている。

    • 屋根の形に合わせたラッピングにより、ツートンカラーを実現
      屋根の形に合わせたラッピングにより、ツートンカラーを実現

     外観の楽しさという点で、ダイハツが開発したのが、「Dラッピング」だ。

     ボディーカラーを、ペイントではなくラッピングですることはすでに行われてきている。しかしながら、ダイハツの「Dラッピング」は、カラーシートをボディーに合わせて伸ばしながら貼り付けるのではなく、あらかじめ車体の造形に合わせた形状のシートを生産ラインで装着するため、シートに柄や凹凸などの装飾を施すことができるだけでなく、価格的にも手ごろにボディーカラーの変化を楽しめる利点がある。

     将来的には、Dラッピングの交換で、ボディーカラーの着せ替えも可能になるかもしれない。

     日々利用することの多い軽自動車だからこそ、見た目も楽しく華やかで、日常に活力を与えてくれたら(うれ)しい。実用性や走行性能だけでない、クルマの魅力をデザインでも高めていく試みが、軽ではじまっている。

    1台で多様なライフスタイルを表現

    • 色合いも質も上質な「キャスト スタイル」の室内
      色合いも質も上質な「キャスト スタイル」の室内

     ボディーカラーだけでなく、自分仕様の軽を選ぶ、そんな新しいクルマ選びを提案するのが、新登場の「ダイハツ・キャスト」だ。

     基本は同じ軽なのに、自分のライフスタイルや、クルマの使い方に合わせた仕様を、3つのバリエーションから選べる多様性をもたらす新しい軽の考え方。

     「スタイル」という車種は、多彩で質感の高い内外装、都会的なテイストで日々の利用に充実感を与えてくれる。

     「キャスト アクティバ」は、見るからにたくましい、SUV(スポーツ用多目的車)と乗用のクロスオーバーな外観が特徴だ。実際、最低地上高がより高い180mmあるため、山道や雪道での運転にも安心が増す。

     「キャスト スポーツ」は、その言葉通り、爽快な走りを楽しめるクルマだ。走行性能だけでなく、運転の醍醐(だいご)味をさらに演出する、MOMO製の革巻きステアリングホイールや、7速マニュアルモードのパドルシフトも備える。

    • 悪路走破性も兼ね備えた、たくましい「キャスト アクティバ」
      悪路走破性も兼ね備えた、たくましい「キャスト アクティバ」
    • 走行性能だけでなく、雰囲気でも盛り上げる「キャスト スポーツ」の運転席
      走行性能だけでなく、雰囲気でも盛り上げる「キャスト スポーツ」の運転席

     一台のクルマが、外観や仕様をアレンジすることで、これほど個性的な表情や使い勝手をもたらしてくれるのだ。

     多様性という新鮮な価値を、Dラッピングや、新登場のキャストはもたらした。

    運転がうまくなったと感じられる安心

    • 軽量高剛性な車体骨格が、走り味の基本を支える
      軽量高剛性な車体骨格が、走り味の基本を支える
    • 安定した走りと快適な乗り心地を両立する、しなやかなサスペンション
      安定した走りと快適な乗り心地を両立する、しなやかなサスペンション

     さらに、最近、軽の走りが上質になった、そう感じている人は多いのではないだろうか?

     2000年から、軽自動車も高速道路を時速100kmで走行できるようになり、走行性能が大きく前進した。

     そのうえで、乗り心地も改善されてきているのが今日の状況で、それを実現しているのが、軽量高剛性の車体、安定性と乗り心地を両立するサスペンション、そして動力性能といった技術の改善・向上だ。

     ダイハツは、2012年から「ファン&リラックスドライブ」というコンセプトで、クルマの基本性能を築き上げている。

     まず何より、すべての基本は骨格から、ということで、軽く強靭(きょうじん)な高張力鋼板をサイドアウターパネルに用いることにより、車体を堅牢に、それでいて軽く仕上げている。

     人間でいえば、体幹を鍛えるといったところだろうか。それが、「Dモノコック」。

     その車体とタイヤを結ぶサスペンションは、最適なチューニングを施すのはもちろんのこと、人がそれをどう感じるかにまで配慮して仕上げられている。これによって、単に速いとか、安定している、乗り心地がいいというだけでなく、走りの基本となる足腰の強化を、あたかも運転がうまくなったかのような安心をもてるまでに仕立て上げる。これを、「Dサスペンション」と呼ぶ。

     そして、走りの躍動感という面において、ハンドルに設置されたスイッチによりパワーモードへの切り替えができるようになっており、出足の加速や、上り坂での力強さを高める電子制御も開発された。これを、「Dアシスト」といい、積極的な運転を楽しみたいときなど、走りにもう一つの側面を見せてくれる。

     このように、外部からクルマにかかる力と、クルマから外部に伝わる力をコントロールする「フォースコントロール」に着目し、基本性能をダイハツは磨いている。

    一言で語りつくせぬ多彩な軽の姿

     軽自動車は、ボンネットバン型のいわゆる乗用タイプから、ハイトワゴンや、トールワゴンといった室内空間を広げた車種、さらにはSUVやスポーツカーというように遊び心を備えたクルマなど、規格内でさまざまな車種が展開され、単に「軽」と一言では(くく)れないほどクルマ選びの幅を広げている。

     もちろん、燃費性能から、操縦安定性、快適性、安全性など、登録車と遜色ない基本性能を満たしている。

     環境問題のみならず、日常的な利便性や経済性を含め、エコな生活を充足させるクルマとして、ダウンサイジングの流れの中で軽が注目される時代となった。

     そうした背景を受け、軽自動車メーカーはいずれも知恵を絞って新車開発に挑み、各社の商品性は年ごとに高まっている。

     結果、軽自動車税増税後も、30%台後半の高い販売シェアを維持し続けているのだ。

     日本独自の軽自動車という存在に、ガラパゴス化を懸念する声も聞かれるが、制約の中で最大の魅力を発信する軽自動車技術は、それを基盤にグローバルに展開できる高い能力を備えており、決して国内に埋没するものではないと私は思っている。

    <モータージャーナリスト:御堀直嗣>

    2016年01月18日 12時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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