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    ダイハツの軽自動車の試乗記です。

    軽乗用車に新風を ムーヴ キャンバス

    暮らしを素敵に 女性に寄り添う軽乗用車

    • ダイハツの軽乗用車に新しく加わったムーヴ キャンバス
      ダイハツの軽乗用車に新しく加わったムーヴ キャンバス

     ダイハツから、新型軽乗用車のムーヴ キャンバスが昨年9月に誕生した。自分自身のライフスタイルを楽しむ女性のために企画・開発された、新しい軽乗用車だ。

     とはいえ、単なる女性仕様車ではない。近年、親と同居する世帯の増加に伴い、カーシェアリングの増加も踏まえた、幅広い世代で使いやすい軽自動車となっている。

     ムーヴ キャンバスは、さまざまな用途に応えるムーヴと、子育て家族のために天井を高くして室内を有効に使えるタントの中間という背の高さで、街乗りを中心に考えた走りや乗り心地のよさを特長としている。

     キャンバスという車名は、帆布と呼ばれる厚手の生地からきている。帆布は帆船の帆として使われたのがはじまりだ。その後、油絵のキャンバスとして使われるようにもなり、今日ではトートバッグなどが作られたりしている。自動車でいえば、オープンカーの(ほろ)としてキャンバストップと呼ばれることで知られている。

     また、「CAN:何でもできる」と「BUS:ミニバスのようなデザイン性」を掛け合わせた意味も持っている。

    • 後ろのドアは、左右両側ともスライドドアを採用する
      後ろのドアは、左右両側ともスライドドアを採用する

     そうした様々な意味合いから、暮らしの可能性を広げられる軽乗用車を表現した車名としてキャンバスが選ばれた。

     ムーヴ キャンバスの特長は、おおらかでシンプルな丸みのある輪郭と、こだわりを感じさせる内外装のデザイン。両側スライドドアの採用を活かした扱いのしやすさ。そして幅広い世代で使いやすい装備の3つとなっている。

    快適に扱え、安心して走れる軽自動車

     外装のデザインは、丸みのある外観の姿が自然な風合いで、人を惹き付ける愛らしさがある。背の高さがあっても不安定に見えないのは、車体がしっかりとした厚みを持ち、ガラス部分が広すぎないからだ。それでいて、フロントウィンドウは前寄りに立った様子で、室内を広く感じさせる。実際、車内に乗り込んでみても、このフロントウィンドウが人から離れていることで、室内空間のゆとりを感じさせる。

    • ベージュ色を基本とするなかに色合いを加え、自然で居心地のよい雰囲気とした室内
      ベージュ色を基本とするなかに色合いを加え、自然で居心地のよい雰囲気とした室内
    • 置きラクボックスを後席下から引き出し、中敷きを立てると、背のあるものも倒れずに置いておくことができる
      置きラクボックスを後席下から引き出し、中敷きを立てると、背のあるものも倒れずに置いておくことができる

     車体色には、単に上下ツートーンの色分けではなく、車体の真ん中にメインカラーを配するストライプスカラーと呼ぶ塗装が独特の雰囲気をもたらす。

     室内は、ベージュを基本に、“メイクアップ”グレードではミント、ピンク、モカといった淡い色合いを採り入れたインテリアアクセントカラーでコーディネートされる。また、簡単に脱着でき、洗うことのできるシートクロスが販売店オプションで用意されるなど、自然で居心地のよい室内空間を、好みにあわせ選ぶことができる。

     両側スライドドアは、狭い場所での乗り降りや、荷物の出し入れなどで、周囲の壁や隣のクルマを気にすることなく扱えて便利だ。後席側に荷物を載せたいときに便利な“置きラクボックス”という新しい装備も発案された。それは、後席下の引き出しを手前に出すことで、床に置きたくない荷物を安心して置くことができ、また外からは見えにくい。なおかつ中敷きを持ち上げれば、高さのある物も倒れにくくできる。

    • カーナビゲーション画面に映し出されるパノラマモニターを活用すると、周囲の様子がわかりやすくなり車庫入れの不安も軽くなる
      カーナビゲーション画面に映し出されるパノラマモニターを活用すると、周囲の様子がわかりやすくなり車庫入れの不安も軽くなる

     ところで、クルマで出かける際に不安なのは、駐車場や、路地から通りに出るときの見通しの悪さだ。そこで、ダイハツとして初めてとなるパノラマモニターがメーカー注文装備で用意された。また、夜の運転で、ハンドル操作に応じてヘッドライトが行く先を照らすアダプティブ・フロントライティング・システムも、一部グレードに標準装備されている。

    軽自動車にはクルマの魅力が凝縮されている

    • ゆったり座れる座席と、ゆとりある後席
      ゆったり座れる座席と、ゆとりある後席

     実際にハンドルを握り、街に出た。

     発進が滑らかで、自然に交通の流れにのっていくことができる。室内は静かで、心地よい。車高が1.6m以上あるのに、走りがふらつくことなく、しっかり安定した乗り心地だ。

     フロントウィンドウが運転席から遠いので、圧迫感がなく、また室内の横幅も広く感じられる。走りながら、本当にこれで軽自動車だろうかと思った。

     シートは、たっぷりとした大きさがあり、ソファーに座るように体を受け止めてくれる。後席も足元にゆとりがあり、足を投げだして座ってもなお、余裕が残る。

     女性にやさしい快適さは、年配の親にとっても居心地のよい空間となるはずだ。そして運転のしやすさは、老若男女に親しみをもたらすだろう。

    • 軽自動車ならではの小回りのよさは、誰にとっても運転しやすい
      軽自動車ならではの小回りのよさは、誰にとっても運転しやすい

     軽自動車は、軽自動車規格といって車体寸法やエンジン排気量に制限があり、その枠の中で存在する日本独特のクルマだ。とはいえ、ダイハツのミラシリーズなど日常の移動に便利な車種から、やや背を高くし様々な用途に使えるムーヴシリーズ、さらに背が高く子育て家族に人気のタントシリーズ、もっとも背が高く野外活動など含め使い方に夢を膨らませられるウェイクやアトレー、SUVなど3つのバリエーションをもつキャスト、オープンスポーツカーのコペンというように、多彩な車種であふれている。

     そうした多彩さのなかに、それらを実現する技術が詰まっている。小さな軽自動車だから簡単に作れるということではない。軽自動車の枠のなかで知恵を絞り、そして新たな価値を与えて生活者を驚かせ、喜ばせる、世界に誇るべき可能性が広がっているのである。

    (文:御堀直嗣)

    2017年02月13日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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