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    ダイハツの軽自動車の試乗記です。

    ミニバンの魅力を凝縮した小型車、新登場

    子育て家族に最適な小型車

    • 新登場のトール/トールカスタムは、ダイハツ初のコンパクトミニバンといえる。こちらは、外観の重厚さを強調したトールカスタム
      新登場のトール/トールカスタムは、ダイハツ初のコンパクトミニバンといえる。こちらは、外観の重厚さを強調したトールカスタム

     ダイハツに新登場した小型車が、トール/トールカスタムである。ミニバンの魅力が小型車のなかに凝縮されている。

     ダイハツには、子育て家族のための軽自動車タントがあるが、トールも、「家族とのつながり」を手掛かりに、子育て家族の日常にピッタリの小型車として開発された。

     車名は、北欧神話の雷神トールの、力強く頼りがいのある相棒の意味に加え、車体の特徴である背の高さも表している。これまで、ダイハツの小型車を代表したブーンの基本性能に、室内空間を広げる背の高さが加わった。

     トールカスタムは、性能や機能は同じでありながら、外観の艶やかさや重厚感がトールとの違いとなっている。

     トール/トールカスタムの特長は、背の高さを活かした室内空間のゆとりと、小型車らしい取り回しの良さ。また、あらゆる利用の仕方に対応できる座席と荷室の調整幅。家族にやさしい工夫や装備。運転の楽しさと安全装備による安心。そして、躍動感があり、また堂々とした風合いを持つ外観など、盛りだくさんだ。

    軽自動車で培った機能が満載

    • 前席は左右が離れており、室内で後席への移動もできる
      前席は左右が離れており、室内で後席への移動もできる

     背の高さを活かした室内からは前方の見通しもよく、また低い床と腰かけやすい座席など、日常的な使い勝手のよいつくりになっている。また短い車体全長によって、小回りも利き、気がねなく運転できる取り回しのよさもある。

     前席は、左右の間が離れていて、室内で後席へ移動することができるように考えられている。後席は、前後の調整が24cmもでき、前へスライドさせると5人乗車で5人分の荷物も載せられる荷室広さが得られる。それでいて、後席足元にはゆとりが残される。

    • 後ろのドアは、スライドドアを採用する
      後ろのドアは、スライドドアを採用する
    • 後席への乗り降りの際に助けとなるアシストグリップは、下側に子供の手にも握りやすい細めのグリップを設けている
      後席への乗り降りの際に助けとなるアシストグリップは、下側に子供の手にも握りやすい細めのグリップを設けている

     軽自動車での経験を活かした小物入れが室内各所に設けられ、また軽自動車で好評のスライドドアを採用する。後席への乗り降りには、子供の手にも大人にも握りやすい大型アシストグリップが支柱に設けられている。さらに上下の真ん中の横棒は、お年寄りが手をかけやすいようにとの配慮から生まれた。

     エンジンは、排気量1000ccのガソリンで、自然吸気とターボ過給の2種類が設定されている。駆動方式は、前輪駆動と4輪駆動が自然吸気エンジン車に設けられている。サスペンションは、安定した走りを狙って、軽自動車で定評を得た方式を小型車用に調整して採用する。さらに、これも軽自動車で培ってきた運転支援装備が、すべてのグレードに用意されている。

    • 前方の視界のよさや、室内の広さを感じさせる運転席周り
      前方の視界のよさや、室内の広さを感じさせる運転席周り

     トールとトールカスタムというように外観の違いを選択できるのも、軽自動車でなじみの手法だ。トールカスタムでは、ツートーンの車体色を選ぶこともできる。

     室内は、黒を基本とした精悍な雰囲気で、インストゥルメントパネルやドアの内側は、樹脂性ながら柔らかな触感であったり、ステッチを用いるレザーの風合いを施したりするなどの工夫がなされ、上質な仕上がりを感じさせる。

     子育て家族を意識しながら、軽自動車ではなく小型車を選ぶ意味を、より上級な室内空間に表現しているようだ。

    家族みんなにやさしいクルマ作り

    • 床の低さは、誰にも乗り降りをしやすくする
      床の低さは、誰にも乗り降りをしやすくする

     運転席に座って安心を覚えるのは、前方の見通しがよく、周囲の様子をつかみやすいことだ。なおかつ、フロントウィンドウが前の方へ離れているため、車体全長が軽自動車と比べ30cmほどしか違わないのに、室内に開放的な広さを感じさせる。

     その広さは、後席においてさらに実感することになる。前後調整をもっとも後ろにスライドすると、足元は持てあますほどの余裕になる。一方、荷物を積み込むため一番前へ移動させてもなお、足元にはゆとりがあり、窮屈さがない。

     エンジンは、軽自動車と400ccしか排気量の差がないにもかかわらず、トール/トールカスタムをよく走らせる力を備える。また、直進安定性もあって、遠出にもいいだろう。

     実際に乗車して感じるのは、軽自動車で培われた小さなクルマ作りの工夫だ。たとえば前のドアは、ほぼ90度ちかくまで大きく開くことができる。スライドドアの便利さは、狭い場所での乗り降りにおいて、軽自動車で実証済みだ。

     そのうえで、床が低く設定されているので、子供も高齢者も容易に乗車できる。その際、後席へはアシストグリップが支柱に設けられ、その上部は大人用、下部は子供用と握りの太さを替える配慮もある。

     日常生活を支える軽自動車を作り込んできたダイハツらしい、人へのやさしさを随所に織り込んだ小型車の登場だ。

    (文:御堀直嗣)

    2017年02月20日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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