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    トヨタの新車試乗記です。

    ハイブリッド車の次を模索 次世代エコカーの主力『プラグインハイブリッド車』

    電気自動車とハイブリッド車の長所を併せ持つ

    • トヨタがハイブリッド車の次を模索するなか、プラグインハイブリッド車のプリウスPHVが発売された。価格は、326.16万円から
      トヨタがハイブリッド車の次を模索するなか、プラグインハイブリッド車のプリウスPHVが発売された。価格は、326.16万円から
    • 電気自動車と同じように、家庭などで充電をすることにより満充電で68.2km(JC08モード)モーター走行できる
      電気自動車と同じように、家庭などで充電をすることにより満充電で68.2km(JC08モード)モーター走行できる

     プラグインハイブリッド車(PHV)とは、駐車中に充電をしておくことで、近距離であれば電気自動車のようにモーター走行できるハイブリッド車だ。

     2月に発表発売されたトヨタのプリウスPHVについて、かつて初代プリウスのチーフエンジニアを務めた内山田竹志会長は、「ハイブリッド車の次は、プラグインハイブリッド車というのがトヨタの答え」と、宣言した。

     もう少し詳しくプリウスPHVを紹介しよう。

     基本的な走行技術は、ハイブリッド車のプリウスを踏襲する。そのうえで、バッテリー搭載量を増やし、これに駐車中に家庭や充電施設から充電できる機能を加えている。充電するという点で、電気自動車に一歩近づいたといえる。

     同時に、ハイブリッド車であるプリウスの機能を受け継ぐため、バッテリーに充電した電気を使い果たしても、ハイブリッド車として走行し続けられるところが、電気自動車とは異なる。

     満充電で、モーターのみで走れる距離は68.2km(JC08モード)。通勤や買い物など日常的な行動範囲は、これで用が足りるという人もあるだろう。

     そして、ハイブリッド車として長距離を走行する際の燃費は、JC08モードで37.2kmとなる。

     言ってみれば、電気自動車とハイブリッド車の長所を併せ持ったようなクルマが、プリウスPHVなのだ。

    • 車体の天井に取り付けられた太陽光パネルによって、最大で一日約6.1kmを太陽エネルギーで走行できる
      車体の天井に取り付けられた太陽光パネルによって、最大で一日約6.1kmを太陽エネルギーで走行できる
    • 炭素繊維で作られたバックドアは、骨格で約40%の軽量化を実現している
      炭素繊維で作られたバックドアは、骨格で約40%の軽量化を実現している

     プリウスPHVには、ほかにも新技術が満載されている。

     外観からも一目でわかるのが、天井の太陽光発電だ。量産市販車では世界初の採用となり、最大で一日約6.1kmの走行を、太陽光という自然エネルギーで賄うことができる。

     先代のプリウスPHVにも、天井に太陽光パネルを使用したが、かつては走行には使えず、車内の換気用としてのみの利用だった。今回、太陽エネルギーで走れるというのが、いかにも新しい。

     室内の空調は、これも世界初となるガスインジェクション機能付ヒートポンプで行う。家庭のエアコンディショナーと同じように、エンジンに頼ることなく暖房を行えることで、無駄なガソリン消費を抑えながら、快適な室内空間を生み出すのだ。

     電気で走り、電気で空調。省資源から、次の脱石油という一歩が記されることになる。

     荷物の出し入れの際に開閉するバックドアは、炭素繊維で作られている。炭素繊維は、ゴルフクラブや釣り竿などでも使われ、軽くて強いのが特徴だ。

     ハイブリッド車からプラグインハイブリッド車となることで、バッテリー容量が増え重量は増してしまう。だが、こうした軽量化によって、プリウスPHVは重たいクルマにならずに済んでいる。

     また、炭素繊維の軽くて強い利点を活かし、リアウィンドウのガラス面積を増やして後方視界も改善されている。新素材の採用が、性能を多岐に向上させることを示す一例だ。

     夜間の運転に、安心と安全をもたらすのが、LEDのアダプティブハイビームシステムだ。

    • LEDアダプティブハイビームシステムにより、夜間やトンネルをより安心して走れる
      LEDアダプティブハイビームシステムにより、夜間やトンネルをより安心して走れる

     これは、常にハイビームで遠くまで見通せる明るさを確保しながら、前を走るクルマや対向車に光が当たる部分のみを遮光し、相手の眩惑を防止する。

     これによって、従来は見えにくかった道路わきの様子や、前を走るクルマのさらに前方の様子などを確認することができ、予防安全につながる。もちろん、自分でハイビームとロービームを切り替える操作が不要になり、運転に集中することができる。

     夜間だけでなく、日中のトンネル内でも役に立ち、これを一度使ったら、従来のヘッドライトシステムでは物足りなく、また不安に感じるだろう。

     新型プリウスPHVは、プラグインハイブリッド車というトヨタの次の回答であるだけでなく、先進技術の詰まった次世代車といえる。

     (文:御堀直嗣)

    2017年02月27日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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