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    開幕(1)目立つEV、対照的なFCV

    • ホンダの「アーバンEVコンセプト」(EV)
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    • 日産自動車の「IMx」(EV)
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    • レベル4の自動運転機能を持つ「アウディ・エレーヌ コンセプト」(EV)
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    • フォルクスワーゲンのの「I.D BUZZ」(EV)
      フォルクスワーゲンのの「I.D BUZZ」(EV)
    • スズキの「eサバイバー」(EV)
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    • トヨタ自動車の「ファインコンフォート・ライド」(FCV)
      トヨタ自動車の「ファインコンフォート・ライド」(FCV)
    • メルセデス・ベンツの「GLC F-CELL」(FCV)
      メルセデス・ベンツの「GLC F-CELL」(FCV)

     第45回東京モーターショーが27日、開幕した。世界的な環境規制の強化に伴い、国内外の各社ブースでは電気自動車(EV)が目立つ位置に展示されている。次世代車をめぐって、EV、燃料電池車(FCV)の論争があったが、今回のモーターショーを見ると、EVが優位に立ったかのように見える。

     現段階で、EVが有利なのは間違いない。イギリスやフランスが2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出し、中国もEVの普及を加速させたい考えだ。中国はガソリン車やディーゼル車などで日欧米に先行された。EVをきっかけに、自国の自動車産業を優位に立たせたい政府の思惑が透けて見える。

     一方、数年前までEVより将来性を買われていたFCVの展示は、トヨタ、メルセデス・ベンツなど一部メーカーだけとなった。水素と酸素を化学反応させて電気をつくるFCVは、究極のエコカーといわれる。残念ながら、FCVは、水素ステーションの普及に加え、生産コストなど抱える課題が多い。開発費に限りがあるメーカーは、EVに集中しており、FCVの開発は資金的に余裕があるメーカーだけだ。

     だが、本当にEVで決着が着いたのだろうか。EVも万全ではない。電池の性能だ。航続距離が伸びているといわれるが、時速100キロを超えるスピードで走ろうとすると、モーターの数を増やさねばならず、車体重量や電力消費量が増え、航続距離は大幅に短くなる。市街地では使いこなせても、長距離ドライブに使うにはいまひとつだ。実際、モーターショーでも、ヨーロッパの高級スポーツカーメーカーのブースにEVは見あたらない。

    真の決着は2020年代か

     FCVにとっても、電池は重要部品で、水素と酸素を化学反応させて電気をつくった後、貯めておく電池は必要だ。トヨタ自動車は、20年代前半の実用化に向け、走行できる距離を飛躍的に伸ばすとされる次世代電池「全固体電池」を開発している。現在、主力のリチウムイオン電池は、内部の電解液を使い、電気を発生させている。この電解液に異物が混入すると、それがきっかけになって、発火や破裂の事故が起きやすい。全固体電池は、電解液を使わないため、より安全といわれている。

     同社のディディエ・ルロワ副社長は、25日のモーターショーの報道関係者向けスピーチで、「EV開発に注力することは、FCV開発が後退するという意味ではない」と強調した。最終的にはFCVを目指すという意味だ。全固体電池の実用化にメドがたった時、効率・経済性に優れる燃料電池の見通しがあれば、FCVに投入するかもしれない。そうすれば、EV優位がFCV優位に入れ替わる可能性は高い。

     まだ、勝負はついていない。モーターショーの展示が年々どう変わるか、そういう視点で見るのも、モーターショーの楽しみ方のひとつだ。(メディア局編集部 松崎恵三)

    2017年10月27日 16時29分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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