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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『外国為替資金特別会計制度』 河上信彦著

     日本経済が円高に悲鳴を上げている。経済界は円売り・ドル買いの市場介入を期待するが、ドル高を望まない米国は許さない。アベノミクスの行方は今、円相場がカギを握っている。

     旧大蔵省で実務を担った著者が、とっつきにくい為替の世界を、市場介入の“財布”である「外為特会」を窓口に分析した。

     例えば。この財布は円貨が増え続ける構造だと断じる。それは市場介入の豊富な財源になり、税収不足の穴埋めにもなった。政府には都合がいい存在だった。

     しかし、見えないところで、国民の債務を膨張させる仕組みでもあるという。華やかな国際金融の裏側の課題を指摘している。

     FX取引などで為替取引も身近になった。時には市場介入を歴史的、構造的に考えるのもいい。(文芸社、2000円)(か)

    2016年06月01日 05時21分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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