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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『人間の居る場所』 三浦展著

     著者いわく、近年の都市は、箱に閉じこめるようなまちづくりが続けられている。そんな潮流に問題意識を持って行った講演録や対談などを1冊にまとめた。タイトルは、強烈なアンチテーゼでもある。

     たしかに、日本の街は、人間の居る場所として果たしてふさわしいのか、大いに疑問だ! 清潔だが、部外者の出入りや従業員の動きを厳しく管理・監視するオフィスビル。余計なものや異物を徹底して排除する再開発……。著者は、みんなに開かれ、みんなが面白がる街をどうつくるのか、多くの人と意見を交わした。

     幸い、行動する若い世代の増加は、本書からも見て取れる。都市を考えることは、人間の暮らしを考えること。10年後、社会は大きく変わっているかもしれないと予感させる。(而立書房、2000円)(佑)

    2016年07月06日 05時21分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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