文字サイズ
    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『名著で読む世界史120』 池田嘉郎、上野慎也他編

     世界史の授業で習った数多くの名著。書名を丸暗記しただけで終わってしまった人がほとんどだろう。どんな人が、どんな目的で何を書いたか? 人類最古の世界文学「ギルガメシュ叙事詩」に始まる120点を詳説するガイドだ。

     西洋や中国の古典のほか、日本人になじみの薄い地域にまで目配りし、思わぬ発見がある。例えばペルシャの11、12世紀の天文学者ハイヤームによる詩集「ルバーイヤート」。己の限界を悟った後、<さかずきに酒をみたし、この世を天国に~><死んだら酒で湯灌ゆかんしてくれ>とうたう。中世イスラム世界にこんな無頼な文学があったなんて!

     歴史や思想を記し、政治や戦争を嘆き、人とは何かを自問する。人類が生み出してきた英知が1冊にぎゅっと詰まっている。(山川出版社、1800円)(佐)

    2017年02月15日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    大手町モールのおすすめ
    帆布鞄
    リンク