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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『うつヌケ』 田中圭一著

     手塚治虫が憑依ひょういしたかのような絵柄を得意とする作者は、ちょっと不謹慎なパロディー作で知られるマンガ家。大胆不敵なこの人が、10年近くうつ病を患っていたとは! どうやって病を克服したか。同様の体験をした人へも取材し、豊富な「うつヌケ」例を真面目にマンガ化した。

     作者は、うつが正体が分からない「幽霊」ではなく、性質がはっきりした「妖怪」だと悟って怖くなくなったという。バンドでの大成功がうつのきっかけになったという大槻ケンヂさん、向いていない管理職の仕事が引き金になったという作家の宮内悠介さんら多くの著名人も登場する。

     体験は深刻でも本書は、不安に悩む人々を励ます温かさに包まれている。マンガの神様そっくりの絵の効用かもしれない。(KADOKAWA、1000円)(佐)

    2017年02月22日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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