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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『浄土真宗とは何か』 小山聡子著

     鎌倉時代の僧、親鸞しんらんが開祖である浄土真宗は、悪人こそが救われるとする「悪人正機説」をはじめ、革新的な教えを説いた。鎌倉新仏教と呼ばれ、それ以前の旧仏教より進んだものと捉えられることもあった。

     だが、日本宗教史を専門とする著者は、そんな簡単な図式では理解できないという。様々な角度から、法然や親鸞、その家族、継承者の信仰が平安浄土教の影響下にあったことを探る。親鸞自身にも、阿弥陀仏に全てをゆだねる「絶対他力」を説きながら、病気になったときなど不意に自分を頼みにするような揺らぎがあったのではないかとみる。

     親鸞は信仰をめぐり我が子との義絶も経験した。力強い教えと、完全に消せない自らの弱さの間に立つ開祖、その末裔まつえいたちの姿に温かな親しみを覚えた。(中公新書、860円)(待)

    2017年03月15日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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