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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『《伊東マンショの肖像》の謎に迫る』 小佐野重利著

     天正遣欧少年使節の筆頭正使として知られる伊東マンショ。1585年のイタリア・ベネチア訪問時の姿を描いた、ドメニコ・ティントレットの手になる肖像画が発見され、2014年に読売新聞が特報した。四百数十年を経て脚光を浴びた肖像画の正体に、ルネサンスに詳しい美術史家が迫った。

     最も興味深いのが、マンショら少年使節の肖像画の下描きを突き止めていく経過。著者はその端緒をインターネット検索でつかむ。目星をつけた肖像画でX線画像を撮ると、下層の下描き素描には、あるものを右手で支える男が描かれていた。そして、イタリア人と日本人の習慣の違いから、その理由まで明らかにしていく。まるで推理小説を読むような醍醐だいご味を感じた。(三元社、1800円)(択)

    2017年06月28日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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