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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『ジイちゃん、朝はまだ?』 いわせかずみ著

     438グラムの超低出生体重児として生まれた誉之介よのすけ君。呼吸困難で産声もなく、未熟児網膜症という目の病気も併発していた。

     このノンフィクションは、知的・肉体的なハンデもある誉之介君の障害、通院・入院生活、家族の協力などが、とぼけた筆致で描かれる。そして、少しずつでも確実に成長している様子を、周囲が温かな目で見守っているのがよく伝わってくる。だから、湿っぽさはほとんど感じられない。

     とはいえ冷静に考えれば、手術や入院を何度も余儀なくされる本人のつらさに加え、遠隔地療養・通院への付き添い、一風変わった誉之介君の行動への対応など、家族の苦労も人並み外れているだろう。だから予想外の結末にも、さびしさの一方で、誰が悪いとは言えないと感じた。(日本僑報社、1800円)(佑)

    2017年07月05日 05時21分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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