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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『政治を動かすメディア』 芹川洋一、佐々木毅著

     報道と学問の世界で長年活躍してきた両著者が、民主政治とメディアのあり方について考えた。

     記者の意識やニュースの現場、それに伴う課題が描かれる。重要なのは、メディアは「プレーヤー」としても、現実政治に影響を与えてきたことだ。例えば日露戦争講和条約締結後の日比谷焼き打ち事件は、「日露講和なる」のスクープを2紙に「(出し)抜かれた」他の各紙が、腹いせもあって激しい政府批判を展開したことも一因だったとの指摘。メディアの一員として忘れてはならないと思う。

     政治家のブログなどでの直接発信や、週刊誌の影響力の高まりなどメディアを取り巻く現状も率直に考察。ありようや手段が変わっても、メディアには民主主義を支える役割があることが伝わってくる。(東京大学出版会、2400円)(佑)

    2017年08月09日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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