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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『福岡伸一、西田哲学を読む』 池田善昭、福岡伸一著

     専門家でも難解な西田幾多郎の哲学を、西田哲学の継承者で哲学者の池田氏を指南役に、著名生物学者が読み解く。

     対談形式で話は進むが、池田氏が福岡氏に「ご理解いただけないことが僕には理解できません」と話すなど、スムーズに話が進まないのが逆に誠実だ。たしかに「絶対矛盾的自己同一」「逆限定」などの言葉に、打ちのめされる。

     ただ、福岡氏の唱えてきた「動的平衡」概念が、西田哲学で規定する「生命」の概念に似ているというのは、すとんと胸に落ちた。それは、生命という存在が、外界から独立したものではなく、絶えず干渉し合い、壊され、作られる流れの中にあるのだという考えだ。西田哲学の目指していたものが、凡人にもぼんやりと感じられた。(明石書店、1800円)(佑)

    2017年09月13日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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