文字サイズ
    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『奇跡の歌』 門田隆将著

     今年4月に亡くなった歌手、ペギー葉山さんの代表曲「南国土佐を後にして」。望郷の念を描いた叙情歌として知られるこの曲は、元々は先の戦争のさなかの中国で、高知県出身者を中心に編成された第40師団歩兵第236連隊(通称・鯨部隊)の中で自然発生的に歌われ、広がった歌だった。

     <ペギーさんによって「命」を吹き込まれ、世の中に出て、そして、ひとり歩きをしていった不思議なパワーを持つ「歌」についての物語>。光市母子殺害事件を追った『なぜ君は絶望と闘えたのか』などで知られるノンフィクション作家が、鯨部隊の生存者や、亡くなる4か月前のペギーさんらへの取材を基に、物語を再現。歴史の中で歌に触れた人々の思いを、歌に寄り添うような情感あふれる筆致で描き出している。(小学館、1600円)(鶴)

    2017年11月08日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    大手町モールのおすすめ
    帆布鞄
    リンク