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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『名優の食卓』 大島幸久著

     歌舞伎俳優にとって最もプライベートな食生活の逸話から、人柄と芸を浮き彫りにしようと試みた一冊。

     九代目市川団十郎、五代目尾上菊五郎の「団菊」から最近亡くなった十二代目団十郎まで、幕末から平成に活躍した35人を取り上げる。

     著者は長年、歌舞伎界を取材してきた演劇ジャーナリストで、細かく文献にあたりつつ、俳優の素顔を知る妻や子息、弟子ら約100人にもインタビューを積み重ねる。「和」の体現者である彼らは意外と洋食派も多く、90歳まで生きた女形が大酒飲みの大食漢だったり、ギネスブックに登録されるほど多数の役を演じた役者が極端な偏食だったり。35人のバストショットがずらりと並ぶ装丁も壮観で、満漢全席を堪能した気分になった。(演劇出版社、1500円)(達)

    2017年11月15日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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