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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『享徳の乱』 峰岸純夫著

     戦国時代の起点は、1467年に始まる応仁の乱ではなく、それより13年早く関東で始まった享徳の乱だ、と本書は強調する。中世史家の著者は、半世紀以上前からこの乱の重要性を訴え、最近ようやく歴史教科書でも記述が増えてきた。

     室町幕府が東国統治のために置いた鎌倉公方くぼうだった足利成氏しげうじが、補佐役の関東管領・上杉憲忠を殺したことから、公方と上杉の戦いが土豪を巻き込んで始まる。将軍足利義政が上杉を支援し、乱は「東西戦争」の様相も呈していく。

     応仁の乱は、享徳の乱の飛び火、と著者は説く。泥沼化する東国に介入を続けようとする勢力と、その批判勢力による中央での衝突が応仁の乱、というわけだ。最近、話題書の刊行が相次ぐ室町時代に、必読書が増えた。(講談社選書メチエ、1550円)(央)

    2017年11月29日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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