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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『僕はロボットごしの君に恋をする』 山田悠介著

     3度目の東京五輪が間近に迫る2060年。人と見分けがつかない人型ロボットを遠隔操作し都心を警備する極秘任務にあたる健は、テロ対策担当となる。ロボットを出向かせたスポーツ用品メーカーは、ひそかに思いを寄せる幼なじみの咲の勤務先だった――。

     咲が人と思いこんでいるロボットを通し恋心をつかみながら、それが生身の自分ではないジレンマ。ただでさえもどかしい恋愛が更にややこしい状況に置かれる心の揺れを、青春小説風の語りで読ませる。

     舞台は未来だが斬新な設定は少なく、2度目の東京五輪を控えた現代の映し絵として捉えた。つまり日常に入り込んできたロボットやAI技術がこのまま進んで、愛の形は変わるのか、変わらないのか。その問いかけとして。(河出書房新社、1000円)(佐)

    2017年11月29日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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