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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『働き方改革の経済学』 八代尚宏著

     安倍政権は長時間労働の見直しなど働き方改革に取り組もうとしている。

     本書は、日本の労働市場の構造変化を分析しながら、働き方改革が少子高齢化に直面する日本経済の長期的な成長のカギを握ると指摘する。

     政府の取り組みについて、「残業時間の上限規制」を評価する一方、正社員と非正社員の待遇格差をなくす「同一労働同一賃金」は“竜頭蛇尾”と落第点をつける。正社員の年功賃金を温存する限り、格差解消は難しいとも指摘し、60歳定年制は「年齢による差別」と廃止を提唱する。

     既存の働き方の枠組みは、高度成長期のモデルを前提にしたものが多い。筆者は全編を通して、政府と企業に対し、「抜本的に変える覚悟があるのかどうか」を問いかけている。(日本評論社、1700円)(徹)

    2017年12月06日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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