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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『病とむきあう江戸時代』 岩下哲典著

     本書で取り上げられている「病」は、身体的な病気に限らない。第1章は外患――。江戸後期、日本を訪れたロシア船への対応に奔走する幕臣たちの姿を描く。

     うつを取り上げた第4章では、ある尾張藩士の言動を日記などの史料を使い分析する。状態を良くしようと、転地療養で、藩士は勤務地を尾張から江戸に変更させられる。うつには、周りの人の理解と支えが必要だというのは、現代と変わらないようだ。江戸時代の人たちも、現代と種類は違っても、様々な病と向き合っていた様子が分かる。

     また、高野長英、橋本左内、大村益次郎ら江戸後期、国の行く末を憂え、近代日本を作ろうとした人たちが、医師だったという話は改めて聞くと、とても興味深い。(北樹出版、2400円)(啓)

    2017年12月20日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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