文字サイズ
    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『スリーパー 浸透工作員』 竹内明著

     ここで言う「スリーパー」とは身元を隠して敵国や敵対組織に潜入し、上官の指示を待つスパイのこと。

     「警視庁公安部外事二課」を舞台にしたミステリー小説シリーズの3作目。公安警察の元エース筒見は、左遷先のバングラデシュで邦人殺害の嫌疑をかけられる。公安部時代の事件をめぐる因縁や官邸の思惑も絡み、事件は意外な展開となる。首謀者は誰なのか?

     日本警察と、事件のカギを握る北朝鮮工作員による諜報ちょうほう戦は実にスリリング。本物の役者や、ハリウッド映画さながらの音楽を使ったPR動画も公開されて話題だ。小説と併せて楽しむと、より作品の世界観が味わえる。

     著者はTBSの報道記者。取材を基にした工作員の実態や、北朝鮮社会の描写はこまやかで説得力がある。(講談社、1600円)(木)

    2017年12月20日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    大手町モールのおすすめ
    帆布鞄
    リンク