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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『絶景本棚』 本の雑誌編集部編

     いったい何千何万冊の背表紙が、ひたすら個人の本棚を撮影したこの写真集に写っているのか? 作家、翻訳家、編集者ら34人の「棚」は、整然と並んでも乱雑に床に堆積たいせきしても、まさに絶景。屋内なのに山岳や渓谷を眺めるかのようだ。

     らせん状階段の周りに専門書や新書を収める棚が弧を描く社会経済学者、松原隆一郎氏の書庫。一軒家の1階4部屋や3LDKのマンションなどを7、8万冊が埋め、本人の居住スペースは1畳程度というミステリー・SF研究家、日下三蔵氏の「魔窟」……本棚は愛書家のアタマの中を映し人生を語る。辞書研究家の棚には、日本初の近代的辞書『言海』だけで版違いなどが260冊以上あるとか。

     この情熱と量に、憧れるべきかあきれるべきか? それが問題だ。(本の雑誌社、2300円)(佐)

    2018年03月07日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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