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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『日本史のツボ』 本郷和人著

     天皇、土地、軍事、経済など、七つの項目に沿って日本史の流れを解説する。それぞれの項目が連関し合って、歴史を立体的に見せる仕掛けだ。

     例えば、中世の始まり。律令国家は「公地公民」を掲げていたのに、平安時代後期になると天皇家自ら「私有地」たる荘園を拡大させ、日本全体が土地争奪戦を行う中世に突入した、と著者は説く。

     足利尊氏が室町幕府を京都で開いたのは、土地にこだわった鎌倉幕府が貨幣経済の浸透に対応できず、鎌倉でなく京都に金と物が集積していたから、という。京都には、天皇家などが全国に持つ荘園群からの収入が集まった。

     固有名詞を暗記しても見えなかった歴史の「意味」が、キーワードを押さえると鮮やかに見えてくる。(文春新書、840円)(央)

    2018年04月25日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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