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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『未来の呪縛』 河合雅司著

     日本の少子化はなぜここまで深刻になってしまったのか。著者は終戦直後までさかのぼり、様々な深慮遠謀があったからだと説く。

     いわく、アメリカは、日本の対外侵略の原因を人口増加圧力だと分析し、戦後に産児制限などを後押しした。日本政府も「子どもは2人まで」と応じてしまい、豊かになりたい庶民ものった。このため戦後のベビーブームは数年で終わり、「産めよ殖やせよ」への反省から有効な少子化対策にもずっと踏み切れなかった。

     陰謀論めいた内容だと取る人もいよう。だが、誰かを「犯人」にして非難し、留飲を下げようという類いの本ではない。証拠を挙げて過去に起きていたことを冷静に示しつつ、少子化解消のための提言も行う。今後を真剣に考える上で役立つはずだ。(中公新書ラクレ、780円)(佑)

    2018年04月25日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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