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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道』 春日太一著

     理知的な光を秘めた突き刺すような視線が、スクリーンに映える。映画女優と呼ぶにふさわしい数少ない存在となった岩下志麻が、デビューから現在まで、出演作について存分に語っている。聞き手は時代劇・映画史研究家の春日太一。

     医師になる道を断念した高校時代、「気分転換」のつもりで出演したNHKドラマ「バス通り裏」。その後、小津安二郎、木下恵介ら名監督たちとの仕事を経て女優に開眼していく。

     「秋刀魚の味」や「古都」、「心中天網島」に「鬼畜」、さらに「極道の妻たち」。役柄は多彩だ。それぞれ分析し、性格や時代などに合わせてメイクや衣装などを変えるという。一方でその人物にのめり込み、狂気を表現する。美しいだけでは生き残ることはできない。「女優道」を自ら明かす。(文芸春秋、1750円)(隆)

    2018年05月02日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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