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    検閲の発禁本 蔵書目録を作成

    明治大学図書館 収集家寄贈受け

    • 検閲のため、ページを削除する処分を受けた本
      検閲のため、ページを削除する処分を受けた本

     戦前の検閲制度により発売頒布禁止(発禁)処分を受けた本などの収集家として知られた城市郎さん(1922~2016年)。

     その蔵書の寄贈を受けた明治大学図書館が、詳細な蔵書目録を作成した。今後の検閲研究の基礎資料となりそうだ。

     同コレクションは、様々な理由で古書市場などに流出した本を城さんが収集したもの。2011年、同大に寄贈された。調査を進める中で、通常「発禁本」と呼ばれる本には、戦前の出版法や新聞紙法に基づき処分されたものや、刊行自体が非合法だったもの、戦後の刑法で「わいせつ」とされたものなど多様な例があり、目録では「筆禍図書」と名づけた。

     その結果、総点数9237冊のうち、筆禍図書が1384冊、筆禍雑誌が278冊あることが判明した。大逆事件で処刑された幸徳秋水『平民主義』や小林多喜二の小説『蟹工船』など貴重な本もある。

     監修を務めた浅岡邦雄・中京大教授によると、目録は、戦前に出版物取り締まりの関係部署が使用した『出版警察報』などを使い、集められた本がどのような由来を持つかなどの出典をつけた点が重要という。

     戦争が進むにつれ、検閲が強化されてゆく様子も目録からうかがえる。『放浪記』などで知られる女性作家の林芙美子は、日中戦争に従軍した経験を持っている。だが、その芙美子でさえ1941年7月に出した小説『初旅』は、「不倫な情事を描き全般的に不健全」として発禁処分となった。明大の山泉進・図書館長は「コレクションを通じて表現の自由の大切さを実感してほしい」と話す。

    2017年04月19日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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