『池澤夏樹、文学全集を編む』刊行
世界文学と日本文学の個人編集全集を編み続ける作家がその舞台裏を語った河出書房新社編集部編『池澤夏樹、文学全集を編む』が同社から出版された。1600円。
二つの全集をめぐるロングインタビューや各種の対談、文芸評論家・斎藤美奈子さんの論考「文学全集とその時代」、『源氏物語』現代語訳の刊行を始めた作家・角田光代さんのインタビューなどを収め、充実の内容だ。池澤さんは全集という出版形態について「(収録作を)選ぶことによって『選ばれたもの』として一巻一巻に価値が保証される」と意義を語る。文学の知の体系化が顧みられにくい時代に改めてかみしめたい言葉だ。
2017年10月06日 05時20分
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