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    話題作の著者へのインタビューで、創作の意図、素顔に迫ります。

    『ワンオペ育児 わかってほしい休めない日常』 藤田結子さん

    女性一人で担う問題点

     明治大教授の社会学者、4歳児の母。いわゆるブラック企業で従業員が一人で業務を行う「ワンオペ」(ワンオペレーション)が問題になったが、本書は女性が育児や家事を1人で担う状況の問題点を浮かび上がらせる。早朝から深夜まで家事育児に追われる女性や、育児に関わりたくても上司の理解を得られない男性など、育児仲間らを伝って多くの事例を盛り込んだ。

     「大きな問題なのに、十分に取り上げられてこなかった。自分も悔しい思いをしたから、気持ちが入りました」

     率直な意見を聞き出せているのは、著者が元々、研究対象の集団に飛び込み調査する「エスノグラフィー」という手法の専門家だからだろう。過去には海外に出て行く若者をテーマに、欧米でアーティストとして活動する日本人の実態などを調べた。次は料理人の研究に取りかかっていた。「研究のためにキッチン見習いをしようと考えていた」

     そんな時、長男が生まれた。「私は仕事で自己実現しようと思うタイプで、40歳手前まで正規の雇用に就けず必死でした。子どもができた後のことは考えていませんでした」。ところが、育児と大学の授業に大半の時間を使うことに。会社員の夫の単身赴任も重なった。これまで通りには働けないと諦めた頃、知人の新聞記者に「仕事と育児の両立」を題材に連載を提案された。専門外だったが記者のペースに乗せられ、2年前からウェブサイトで連載が始まった。

     連載に一部を書き加えた本書の目的は、仕事と子育てを両立できず苦しむ母親に「問題は、長時間労働などを是正しない社会にある」と伝えること。そして、学生に「将来待ち受けているものを見せる」ことだ。近く、未就学児のいる家庭の育児分担について、より詳しく分析した研究書も出す予定。(毎日新聞出版、1300円)

    野口恵里花

    2017年08月01日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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