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    話題作の著者へのインタビューで、創作の意図、素顔に迫ります。

    『気にしない。』 森本稀哲さん

    野球人生、挫折から学ぶ

    • 森本稀哲さん
      森本稀哲さん

     光り輝くスキンヘッドがトレードマーク。「髪? 全く気にしてません。逆に、目立ってよかったと思ってます」。そう言って、明るく笑った。

     プロ野球・日本ハムの外野手として2006年から3年連続でゴールデングラブ賞、07年はベストナインにも輝いた。半生を振り返った初の著書で、幼い頃に発症した病気が原因で毛が抜けたことを明かしている。心ない言葉に傷ついたこともあった少年時代、帽子をかぶっていられる野球に打ち込んだ。いいプレーをすれば笑われない。夢中になっている時は悩みを忘れられる。気付きとともに、「違っていること」が、気にならなくなった。

     高卒で日本ハムに入団し、横浜(現DeNA)を経て、2015年に西武で引退。3球団で過ごした17年間の裏話も、たっぷり盛り込んだ。最も印象に残っているのは、活躍できなかった横浜時代。控えにまわり、自分にできることは何か考えた。懸命に練習すれば、チームの士気が高まるし、レギュラー陣の刺激にもなる。「うまくいっていない時の過ごし方こそ大事。悩んでいる人、壁にぶつかった後で一歩目を踏みだそうとしている人に、読んでほしい」

     野球一筋で、これまでまとまった文章を書いた経験がなかった。まず時系列に沿って、幼い頃からの出来事を列挙。挫折や失敗から何を学んだのか、深く掘り下げた。「これまでの人生の答え合わせをしているような作業。過去の自分に読ませてやりたい」

     野球解説などで活躍しているが、指導者として再びユニホームを着る展望を描いている。「そのためには、うまく相手に伝える技術が必要。書くという慣れない作業でしたが、いい勉強になりました」

     新たな夢への助走とともに、輝きが増していく。(ダイヤモンド社、1400円)

     増田真郷

    2017年09月26日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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