<速報> レアル・マドリードが3連覇…欧州CL
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    読売新聞の読書委員らによる書評のコーナーです。
    評・服部文祥(登山家・作家)

    『犬から聞いた話をしよう』 椎名誠著

     旅する作家、椎名誠が旅先で出会った犬たちの写真と文章を収めた一冊。

     ページの多くを占める辺境では、犬はつながれず自由に、伴する、寝る、遊ぶ、走る、働く、待つ、黄昏たそがれる。旅犬らしいものもいる。

     彼らなりに考え、判断し、自由意志でそこにある。犬には犬の事情があるのだ。

     人生をともにした犬たちも報告される。著者の自伝的小説『犬の系譜』に書かれていたのは、毒を抜いたバージョンらしく、事実に近い報告は戦慄せんりつものだ。

     地球の全生命種をみても、ヒトとイヌほど特殊な関係で結びついている異種同士はない。別の星の知的生命体が、地球の知的生命体(らしい我々)を観察にきたら、その報告書の一章はこんな写文集になるのかもしれない。

     写真は、マイナス40度のシベリア。日だまりでひなたぼっこする犬。ときどき足を上げて足裏を暖めていたという。

     新潮社 1800円

    2018年03月19日 05時21分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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