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    読売新聞の読書委員らによる書評のコーナーです。
    評・本郷恵子(中世史学者・東京大教授)

    『ルポ東大女子』 おおたとしまさ著

     「東大女子」と「かわいい」や「美女」は両立するのか?「東大女子」は、どんな男性と結婚して、どんな夫婦関係を構築するのか?など、「東大女子」自身もモヤモヤしている問題について、本書はいろいろな角度から切り込んでいく。結果、東大女子は専業主婦から一流の職業人まで、最も幅広い選択肢を持つことができて、日本社会の構造を変える鍵を握っているということになる。

     ただ私が最もリアルだと感じたのは、結婚願望がないという一東大女子の「勉強しなきゃいけないし、学校行かなきゃいけないし、これ以上関わるタスクを増やしたくない」という声。男女問わず、本気で東大生をやろうと思ったら、けっこう大変なのだ。社会に出ても同じことで、大学受験に成功しただけの女子をひとくくりにして、あまり期待されても困るのである。

     「今回出会った東大女子はみんな、ひととして素敵で女性としても美しかった」なんて、ちょいとめてやれば喜んで働くと思っている人が多すぎる。まあ、そこで頑張ってしまうのが「東大女子」なんですけれどね。

     幻冬舎新書 780円

    2018年06月11日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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