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    「逆輸入ラーメン」ラー博で食べ比べ

     世界的に大人気のラーメン。いまやアジアはもとより、ヨーロッパやアメリカに日本から出店したり、現地の人が独学で開店したりと、海外にあるラーメン店は増加の一途をたどっている。今回はそんな海外発の「逆輸入ラーメン」を紹介したいと思う。(編成部 小野雄太)

    • 昭和レトロな演出が楽しい館内。外国人観光客にも人気だ
      昭和レトロな演出が楽しい館内。外国人観光客にも人気だ

     場所は横浜市港北区にある新横浜ラーメン博物館。同館は、全国の人気店の味を食べ比べできるとあって、1994年のオープン以来、長く人気を博している。店は不定期に入れ替わりながら、現在9店が営業中だ。

    イタリア発「ペペロンチーノ和え麺」

     訪れたのは、イタリアの「カーザルカ」とドイツの「無垢-muku-ツヴァイテ」の2店。

     カーザルカは、(とん)(こつ)ラーメンが基本メニュー。だが、店頭の写真にひかれ「ペペロンチーノ和え麺」(880円)を注文した。

     具材で鮮やかに彩られた丼は、イタリアらしくまるでパスタのよう。唐辛子の香りが食欲をそそる。麺はパスタ用のデュラムセモリナ粉とパンに使われる小麦粉をブレンドしている。

     まずは豪快にかき混ぜて、勢いよく麺をすする。オリーブオイルを加えた醤油(しょうゆ)だれと唐辛子の辛さがちょうどよいバランスだ。

     たれに絡む麺は中太のストレート麺で、パツっとした食感が新鮮。今まで食べたことのない味に興奮して一気に食べ尽くしてしまった。

    • 具材も鮮やかでパスタのような「ペペロンチーノ和え麺」
      具材も鮮やかでパスタのような「ペペロンチーノ和え麺」
    • 一気に食べ進める小野記者
      一気に食べ進める小野記者

    1か月間「1日3食ラーメン」

    • デュラムセモリナ粉をブレンドした麺
      デュラムセモリナ粉をブレンドした麺

     カーザルカの店主、ルカ・カタルファモさんは、世界各国で料理の修業をしている時、豚骨ラーメンの有名店「一風堂」のニューヨーク店でラーメンと出会い、その味に衝撃を受けたという。その後、ロンドンのうどん店でだしを学び、ラーメン店開業を決意した。

     日本で約1か月間、1日3食以上のラーメンを食べ続け、自分の求める味を模索。2013年、イタリア・ミラノに念願の店をオープンした。ただ、ラーメン博物館の店は、残念ながら17年1月9日で「卒業」(閉店)となる。気になる方はお早めに。

    ドイツ発「無垢ラーメン」

    • 二層構造スープが特徴の「無垢ラーメン」
      二層構造スープが特徴の「無垢ラーメン」
    • 2杯目となる「無垢ラーメン」もペロリ
      2杯目となる「無垢ラーメン」もペロリ

     2軒目に訪れた無垢-muku-ツヴァイテで注文したのは、10月に刷新したばかりという「無垢ラーメン」(900円)。スープを一口飲むと、豚骨の濃厚な風味が口中に広がる。

     が、驚いたのはその後。食べ進めると、なぜか味が変化していく。最初の豚骨味に加えて、和風のうまみが感じられるようになるのだ。

     一口ごとに味が変化するスープは、今まで食べたことのない奥深さ。麺は中太のストレート麺で、歯ごたえのある硬めの食感。(あぶ)りバラチャーシューと、低温調理でしっとりとした食感の豚ロースのコンフィも絶品だ。こちらの一杯もあっという間にスープまで完飲してしまった。

     無垢は2010年、ドイツ・フランクフルトで店主の山本真一さんが開いた。山本さんは食材を取り扱う商社の元営業マン。日本の文化を広めたいという思いでオープンさせたという。今ではヨーロッパ各地から客が集まる人気店になった。

    秘密は二層構造のスープ

     食べながら味が変化していくスープの秘密は、作り方にあった。タレに、昆布やかつおなどで取っただしを合わせ、次に麺、最後に、ハンドミキサーで乳化させた豚骨スープを加える。手間をかけて、スープを二層構造にするのだ。麺はピザ用の小麦とパスタ用のデュラム粉を配合した。「無垢ラーメンを刷新したのは、それまでの経験をもとに、よりおいしいものを提供したかったからです」と店長の清水俊彦さんは話してくれた。

    海外の一杯 新たな発見も

    • 「無垢」の前で清水店長(右)と談笑する小野記者
      「無垢」の前で清水店長(右)と談笑する小野記者

     今回の2店は、海外の食材やアイデアを盛り込み、「逆輸入」という新たなラーメン像を提示した。

     海外旅行をする方は、渡航先でラーメン店を見かけたら、ぜひトライしていただきたい。日本のものとは一味違う、新たな発見があるはずだ。また、海外に行かなくても、ラーメン博物館なら手軽に「逆輸入」を味わうことができる。

     まもなく年末年始の長期休暇。人それぞれの楽しみ方で、ゆったりとラーメンに舌鼓を打ってみてはいかがだろう。

    2016年12月28日 10時47分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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