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    料理上手のパパを目指し、50歳代の読売新聞記者が家庭料理修業

    かみごたえがある? ハッシュドビーフ

    高校生の娘の好物

    • 高城先生のハッシュドビーフ
      高城先生のハッシュドビーフ

     今回はハッシュドビーフ。高校生の娘の好物だ。ご飯にかければハヤシライス。子どものころ、「ハヤシもあるでよ~」という名古屋弁のテレビCMがはやったことを思い出す。若者はなんのことかわからないだろうなぁ。

     では、調理します。

     まず、牛肉(肩ロース薄切り)160グラムを5~6センチに幅に切る。脂が溶けないように直前まで冷蔵庫に入れておく。

     肉を広げながら塩、コショウを振り、小麦粉大さじ1強をまぶす。このとき、手のひらの熱で脂が溶けないように、牛肉は指先でつまむようにする。

     全体が小麦粉で白っぽくなったらOK。「味をしっかりつけ、小麦粉をまぶして味を閉じこめます」と高城先生。

     「牛肉は、安い切り落とし肉でもいいんですか」

     「ちゃんとした、良い切り落とし肉を買ってください」

    • 包丁で切りやすいように、牛肉を一枚ずつほぐす
      包丁で切りやすいように、牛肉を一枚ずつほぐす
    • 雄介パパの雑な切り方を注意する高城さん
      雄介パパの雑な切り方を注意する高城さん
    • よく火加減を確認する
      よく火加減を確認する

     ハッシュとは肉を刻むことだという。牛肉の薄切りを使うからハッシュドビーフ。ハヤシライスは、ハッシュがなまったとか、林さんが考案したからだとか諸説ある。「ハヤシもあるでよ~」のオリエンタルスナックカレーのCMがはやったのは1969年ごろ。「メッチャメチャうみゃーでかんわ」という南利明さんの名古屋弁がまるでラップで、今見ても面白い。オリエンタルのサイトに動画がある。ぼくの家ではハヤシライスは出たことがないので、謎の食べ物だった。

     タマネギは小1個を縦半分に切って、根っこのところをVの字にカット。深く切ったら、「もったいない」と先生にしかられる。横に1センチ幅に切る。

     ニンニク2分の1かけは薄切りに。根っこのところは切り落としてください。

     マッシュルーム(1パック)は、真っ黒な小さな点のような汚れがついているので、乾いたキッチンペーパーでふく。キノコは水で洗うと、味が落ちるそうです。汚れを見落として、「ちゃんと見て」としかられる。縦4枚に切る。

     固形ブイヨン2分の1個を、湯2分の1カップに入れて、しばらく放ってから、よく溶く。これがスープ。

     フライパンを火にかけ、手をかざして「熱い」と感じたらサラダ油大さじ1を入れ、牛肉を入れていく。肉は1枚、1枚、はしでほぐしながら広げるように入れていく。

     時間をかけて肉を広げていたら、先に入れた肉が焦げてしまった。「丁寧に、でも手早く」としかられる。今回、しかられることが多い。肉の色が白くなったら、取り出す。

     うまみをのがさないように、肉を焼いたフライパンをそのまま使う。バター大さじ1と2分の1とニンニクを入れ、香りが出たらタマネギを入れていためる。タマネギは全体が半透明になるまでじっくりいためる。火は、強めの中火。

     「タマネギは熱すると甘さが出てきます。おいしそうな匂いがしてきて、しんなりしてネバリが出てくるまで、じっくりといためます」

     このとき、フライパンをあおって、タマネギを裏返しながらいためる。ぼくはこの返しができなくて、ただフライパンを揺すっているだけ。タマネギが裏返らず、片面だけをいためるので、焦げてしまった。フライパンをあやつるのはあきらめて、結局、フライ返しでタマネギを返す。

    ハチミツを使うと味がまろやかに

    • 一煮立ちしてから味見。無駄にキリリとした表情の雄介パパ
      一煮立ちしてから味見。無駄にキリリとした表情の雄介パパ
    • 「今回はしかられてばかり」と思いながら盛りつける
      「今回はしかられてばかり」と思いながら盛りつける

     さらにマッシュルームを加えていためる。マッシュルームが茶色になったら、牛肉を戻して混ぜ、ローリエ小1枚、赤ワイン4分の1カップ、カットトマト4分の3カップを加え、一煮立ちしたら、デミグラスソース(2分の1缶)、スープを加えて混ぜる。

     再び沸騰したら、やや強めの弱火で混ぜながら10~15分煮る。最後に調味料。分量は、塩小さじ4分の1強、しょうゆ小さじ1、ハチミツ小さじ2分の1、コショウ少々。一煮立ちしたら、味見して、味を調える。

     砂糖の代わりに、ハチミツを使うと味がまろやかになるそう。「プロの料理人もハチミツを使う人が増えてますよ」と先生。

     器にご飯を盛り、ハッシュドビーフをかけてできあがり。今回はサワークリームを添えた。

     食べ比べてみたら、ぼくのハッシュドビーフは微妙に焦げ臭い。タマネギを焦がしてしまったためだ。肉も焼きすぎ。先生の肉は口の中でとろけるようなんだけど、ぼくのはかみごたえがある。

     ただ、お手本と食べ比べればわかってしまうというだけで、ぼくのハッシュドビーフもおいしい。それなりに満足。ローリエを除くのを忘れて、また先生からしかられた。

    • パセリが一か所に固まった謎の料理(雄介パパ作)
      パセリが一か所に固まった謎の料理(雄介パパ作)
    • 試食では、高城先生との差に苦笑い
      試食では、高城先生との差に苦笑い

     さて、今回、レシピ外でパセリのみじん切りをつくりました。これが大変だった!

     パセリの葉の部分をつまみ、手の中でギューッと固める(柄の部分は捨てる)。まな板の上で指先でパセリを固めながら、包丁で刻んでいく。みじん切りになったパセリをまとめ、今度は、包丁の先のほうの峰(背)を軽くおさえて、刃を上下に動かしながら移動させて、さらに細かく切る。寄せては切るを繰り返す。

     こうやってみじん切りにしたパセリを、今度は不織布のキッチンペーパーで包んで、流水の中でギュッとしぼる。緑色の水が出る。「こうやってアクを取ります」。緑色の水が出なくなったらOK。

     キッチンペーパーに包んだまま、手のひらでポンポンして、固まったパセリに空気を入れてできあがり。

     パセリをみじん切りにしたのは、ぼくは初めて。できあがったパセリの使い方もわからず、ぼくはサワークリームの上に彩りでまいたけど、先生はご飯にまぜた。なるほど、こうするとご飯が美しい。「本当はバターライスにまぜるんです」

     見た目だけでなく、パセリライスは香りもいい。ぼくはパセリの味は苦手なんだけど、これは楽しめた。アクを抜いているせいだと思う。

     ただ、ぼくのようなヘタな人がやると、みじん切りのパセリがまな板周辺に散乱して大変なことになるので、急がしい主婦の方にはおすすめしません。

     次の休みにつくってみました。

     先生は紙パック入りのカットトマトを使っていたが、近くのスーパーにない。代わりにカットトマトの缶詰を買った。

     前に「ワイン風調味料」を使って料理が塩辛くなってしまったので、今回はちゃんと赤ワインを購入。

     タマネギを焦がさないように、最初からフライ返しを使い、それなりにうまくいった。

     子どものために、バターライスをつくる。先生に教わった通り、熱いご飯にバターを入れ、塩、コショウ各少々。撮影の時につくったパセリのみじん切りを自宅に持って帰っていたので、振りかけて混ぜる。

     パセリライスに、ハッシュドビーフをかけ、サワークリームを添えると、高級料理に見える。牛肉は安めを買ったんだけど。

     「パセリライスもサワークリームもきれい」と娘も喜ぶし、妻も「これならレストランで出せる」と太鼓判。「メッチャメチャうみゃーでかんわ」という感じ。なんか、料理上手なパパに近づいてきたぞ。

    高城順子さんのレシピ ハッシュドビーフ

    • ハッシュドビーフの食材
      ハッシュドビーフの食材
    【材料】(2人分)
     ・牛肩ロース薄切り肉 160g
     ・塩 ひとつまみ
     ・コショウ 少々
     ・小麦粉 大さじ1強
     ・タマネギ 小1個~3/4個
     ・ニンニク 2分の1かけ
     ・マッシュルーム 1パック
     ・サラダ油 大さじ1
     ・バター 大さじ1と2分の1
     ・赤ワイン 4分の1カップ
     ・カットトマト 4分の3カップ
     ・デミグラスソース(缶) 2分の1缶
     ・スープ 2分の1カップ
      (固形ブイヨン  2分の1個)
     ・ローリエ 小1枚
     ・塩 小さじ4分の1強
     ・しょうゆ 小さじ1
     ・ハチミツ 小さじ2分の1
     ・コショウ 少々
     ・ご飯 400g~500g

    (1) 牛肉は5~6センチ幅に切り、塩、コショウをして小麦粉を全体にまぶしておく。タマネギは縦半分に切った後、横に1センチ幅に切る。ニンニクは薄切りにする。マッシュルームは汚れをふき縦4枚に切る。

    (2) 固形ブイヨンと分量の水を合わせ溶いておく。

    (3) サラダ油で牛肉をいため、取り出し、牛肉をいためたフライパンにバターを入れ、ニンニク、タマネギをいためる。マッシュルームを加えていため、牛肉を戻して混ぜ、ローリエ、赤ワイン、カットトマトを加え、一煮立ちしたらデミグラスソース、スープを加えて混ぜ、再び沸騰したら、やや強めの弱火で時々混ぜながら10~15分煮る。

    (4) (3)に塩、しょうゆ、ハチミツ、コショウを入れ、一煮立ちしたら味を調えて火をとめる。

    (5) 器にご飯をもり、(4)をかける。

    2017年01月05日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    斎藤雄介(さいとう・ゆうすけ)
     編集委員。1962年生まれ。86年、読売新聞社に入社。地方部、社会部を経て、生活部では、料理の記事や人生案内なども担当。本紙にコラム「暦めくり」を月1回掲載中。一男一女の父。家族から「料理のうまいパパ」と言われるのが夢。
    プロフィル
    高城順子
     女子栄養短期大学食物栄養科卒業、栄養士。イタリア、フランス、中国、香港など世界各地のレストラン、料理教室を長期にわたって歴訪し、フリーの料理研究家となる。
     家庭料理の基本として、手近にある材料をちょっとした工夫で作るご飯にあう料理、素材を生かした料理を心がける。その一方で、東南アジア諸国を訪れ、その成果を「くだものと野菜のヘルシークッキング」として発表している。著書多数。テレビや雑誌でも活躍中。
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