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    料理上手のパパを目指し、50歳代の読売新聞記者が家庭料理修業

    揚げたて食べたい! カキフライ

    力入れすぎ? 平べったい形に

    • 高城先生のカキフライ。見事なキツネ色
      高城先生のカキフライ。見事なキツネ色

     ぼくの好物、カキフライ。でも、妻は作ってくれない。カキの複雑な味は子ども向きじゃないし、揚げ物は後処理が大変だ。で、妻は作らない。

     しかたないので、定食屋で食べるけど、揚げてからずいぶんたった情けないフライの場合が多い。あんまりうまくない。揚げたてのおいしいカキフライを食べようと思ったら、自分で作るしかない!

     いつもは家族に食べさせるために料理を作っているけど、今回は自分で食べるためにカキフライを教わります。

     では料理です。枠で囲んでいる部分は、高城順子先生のレシピ。材料表は最後にあります。


     カキはザルに入れて薄い塩水の中でふり洗いをし、汚れを落として水気を切る。ペーパータオルの上に置き、上にもペーパータオルをかぶせ、軽く押してよく水気をふきとる。

    • カキの下ごしらえに取り組む
      カキの下ごしらえに取り組む

     流水で洗うと、カキのうまみが出てしまうので、塩水の中で洗う。できれば塩水を変えて2回洗う。この下ごしらえで生臭さが取れる。カキはそっと持つこと。ペーパータオルで上から押すのもそっと。


     カキに軽く塩、コショウをふり、小麦粉をふりかけ、1粒1粒に薄く小麦粉をまぶす。
    • 塩をふる。かけ過ぎないか心配そうに見守る高城さん
      塩をふる。かけ過ぎないか心配そうに見守る高城さん

     バットに塩、コショウをふり、カキを並べ、上からまた塩、コショウをする。

     別のバットに小麦粉(だいたい大さじ3~4杯)を入れて、カキに1個ずつまぶしていく。1、2回、小麦粉の上で返す。上から手のひらで押して、カキに小麦粉をよくつける。このとき、力を入れないように。ぼくは微妙に力がかかりすぎて、カキが平たくなってしまった。


     カキに溶き卵(卵と水大さじ2分の1、小麦粉大さじ1強を合わせて溶く)をつけ、パン粉を広げた上で転がして全体にまぶす。タルタルソースをつくる。

    • 右手と左手、うまく使って効率良く
      右手と左手、うまく使って効率良く

     水に小麦粉をよく溶いて混ぜ、卵と混ぜる。こうすると、ただの卵よりも、パン粉の付きがよくなるという。小麦粉がだまになるので、根気よくつぶす。

     カキのバット、溶き卵のボウル、パン粉(1カップ弱)のバットを右から並べて、流れ作業。右手でカキを持って卵液につけ、パン粉の中に。今度は左手でパン粉の中で1回転させて、軽く上から押さえて、別のバットに並べる。これを繰り返す。

     この手順を守れば、左手は乾いたままなんですが、すぐに右手と左手がごっちゃになる。右手でパン粉もつけたり、左手で卵液をつけたり、すぐに両手に溶き卵とパン粉が付いて、悲しい状態。パン粉がだまになって、カキによくつかなくなる。

     左脳と右脳の連携ができていない感じ。脳の働きがあまり活発でない兆しか。悲しい気分で手を洗う。

     パン粉のついたカキは、ラップをして冷蔵庫に入れておく。衣が落ち着き、揚げる時にはがれにくくなるという。

     この間にタルタルソースをつくる。最後の材料表にある通り、マヨネーズとタマネギのみじん切りなどを混ぜればいい。タマネギとパセリのみじん切りは不織布で包んで流水にさらすこと。

     「パセリのみじん切りが苦手なので、タルタルソースは市販品でもいいですか?」

     「料理は手間をかけただけおいしくなりますよ」と先生。

     たっぷりの揚げ油を約170~180℃に熱し、カキを入れて、火力を少し上げ、カリッと揚げる。全部のカキを揚げたら油を切り、つけ合わせのキャベツ、またはレタス、ミニトマトを盛り、タルタルソースを添える。

    • 油が飛びはねないように注意して揚げる
      油が飛びはねないように注意して揚げる
    • 雄介パパのは、揚げ色に個性がある
      雄介パパのは、揚げ色に個性がある

     油の深さは、カキの厚さの2倍が必要。普通のフライパンよりも深さのある鍋のほうがいいでしょう。

     油が180度まで上がったかどうか、菜箸を油の中に入れるとシュワーと気泡が上がるのでわかる。ぼくのような初心者は温度計を使ったほうが間違いなさそう。

     油にカキを5個くらい入れ、返しながら1分~1分半揚げる。

     「揚げ物は油に入れてすぐには箸で触らないこと。10~20秒してから返す。音をよく聞いてください。料理は五感を使います」

     最初、グツグツとくぐもった音だったのが、ビチビチと高い音に変わってくる。「菜箸で持つと、カキの中身が沸騰している振動が伝わってきます」

     確かにブブブッという振動が伝わってきて、良さそうなので、次々、油から上げていく。

     キャベツのせん切りにミニトマトを添え、カキフライを並べてタルタルソースを添えたら出来上がり。今回はキャベツの代わりにベビーリーフを使いました。

     「揚げたてがおいしいので、揚がったらすぐに食べられるように、準備しておくといいですね」

    • 高城さんの注意を神妙な表情で聞く雄介パパ
      高城さんの注意を神妙な表情で聞く雄介パパ
    • 「おいしくできたかな」。カキフライを試食
      「おいしくできたかな」。カキフライを試食

     ぼくのカキフライは、なんか平べったい。プレスしたみたいで、食べても、先生のお手本のようにふんわりしていない。

     「小麦粉をまぶすときに力が入りすぎましたね。カキの形に合わせて、手をくぼませて押すんですよ」

     見た目も、薄い茶色から焦げ茶までバラバラ。薄い色のは、中がちょっとレア気味。生ガキのうまみがあるけど、なんか不安にさせる味。

     「揚げる時間がバラバラだからです。揚げるとき、カキを油に入れた順番を覚えておいて、先に入れたものから上げないといけません」

     うーん。どのカキを先に入れたかなんて、まったく考えないで料理していた。揚げているときは、なんかコーフンしてしまって、冷静になれないんですよね。

     試食したカメラマンが好き勝手なことを言っている。

     「見た目がハムカツみたい」

     「プレスされている。かみごたえがあるな」

     そんなに悪くないんだけどなあ。

     手作りのタルタルソースがおいしかったです。

     次の休みの日に作ってみました。

     家のコンロは温度を180度に自動調整してくれるので、その点は簡単。今度は、カキを入れた順番を忘れないように、3個ぐらいずつ揚げた。

     高城さんに教わったときより、油がはねて結構こわい。揚がる音も大きい。それなのに、最初に揚げたのは、けっこうレアだった。薄い色のは二度揚げする。

     後で先生に聞くと、小麦粉や溶き卵、パン粉の付け方にムラがあり、パン粉がきちんとついていない部分のカキの水分が油の中に出てしまったのではないか、とのこと。油がはねたのも、油の音が大きかったのも、そのためらしい。

     多少の失敗はあっても、やはり揚げたての味はバツグン。妻も子どもも、カキフライは苦手で食べないが、同居する母は、「これはおいしい。こんなにうまく揚がらないよ」と絶賛した。定食屋やスーパーで売っている冷めたカキフライより何倍もうまい。カキフライ好きのお父さん、自分で揚げるのはオススメです。

    (協力 東京TOTOセンターショールーム)

    • パン粉やタルタルソースの材料
      パン粉やタルタルソースの材料
    【材料】(2人分)
     ・カキ(むき身) 200g
     ・塩・コショウ 各少々
     ・小麦粉 適量
     ・パン粉 適量
     ・キャベツ又はレタス等 6分の1個
     ・ミニトマト  4~6コ
     ・揚げ油 適量
    ▽タルタルソース
     ・マヨネーズ 大さじ2と2分の1
     ・レモン汁 小さじ2分の1~1
     ・タマネギ、パセリ、ピクルス(すべてみじん切り) 各小さじ1
     ・ゆで卵(みじん切り) 小さじ1強=8分の1個

    2017年03月02日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    斎藤雄介(さいとう・ゆうすけ)
     編集委員。1962年生まれ。86年、読売新聞社に入社。地方部、社会部を経て、生活部では、料理の記事や人生案内なども担当。本紙にコラム「暦めくり」を月1回掲載中。一男一女の父。家族から「料理のうまいパパ」と言われるのが夢。
    プロフィル
    高城順子
     女子栄養短期大学食物栄養科卒業、栄養士。イタリア、フランス、中国、香港など世界各地のレストラン、料理教室を長期にわたって歴訪し、フリーの料理研究家となる。
     家庭料理の基本として、手近にある材料をちょっとした工夫で作るご飯にあう料理、素材を生かした料理を心がける。その一方で、東南アジア諸国を訪れ、その成果を「くだものと野菜のヘルシークッキング」として発表している。著書多数。テレビや雑誌でも活躍中。
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