<速報> 空自浜松基地所属のヘリ、通信途絶える
    文字サイズ
    セクハラやパワハラ、ネット犯罪に対処するための法律の知識が身に着くコラム。

    「第3の健康食品」って何?

    相談者 HKさん(51)

     「もう、お母さんたら! 最近の夕ご飯、太る料理ばっかりよ。昨日は回鍋肉(ホイコーロー)でしょ、おとといは焼き肉、その前はちゃんこ鍋……そしてきょうはダブル・ハンバーガーにチキンって、どうゆうこと!? メタボごはんで、私をお母さんと同じ体形にしたいわけ?」

     25歳になる娘が食卓についた途端、語気荒く私を責め立てます。

     夫も同じ思いだったようで、娘に同調します。

     「そうだよ、母さん……オレもこの前のメタボ健診で初めてひっかかったんだぞ。これじゃあ、オレに生活習慣病になってくれといわんばかりじゃないか」

     そんなやりとりが先日の夕食時にあり、私は何も言い返せませんでした。

     フルタイムで働く私としては、家事もきちんとやっているつもりですが、夕食はどうしても出来合いのものになりがちです。もちろん、健康第一ですが……。とはいえ、夕食ぐらいおなかいっぱい食べたいですし、ここだけの話、脂っこいものや甘いものを食べるのが実は大好きです。それでも、このままでは家での立場がないので、今後は、きちんと食品の機能を選んで買おうと思い立ちました。家族に文句を言わせないためには、それなりの証拠というか根拠も必要かと思っています。

     そんな中、健康にどんな効果があるかを食品に表示しやすくなる「機能性表示食品」という制度がスタートしたという記事が先日の新聞に載っていました。特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品に続く「第3の健康食品」などとも、(ちまた)では呼ばれているそうです。

     私もどうせ口にするなら、なるべく体に良いものを取りたいと思っているので、体への効き目を明確に示してくれるのであれば、とてもありがたい話と思います。ただ、その記事では結構簡単に表示が認められるようで、根拠がよく分からない表示が乱立する可能性も指摘されているとも書かれていました。実際、トクホなどとどこがどう違うのかも分かりません。

     実際に購入するとき、どの表示を基準にすればいいのか、かえって戸惑ってしまいそうで……。この「機能性表示食品」の制度の概要について教えてもらえませんか。(最近の事例をもとに創作したフィクションです)

     

    (回答)

    第3の健康食品?

     最近、健康にかかわる食品の表示制度が変わることが話題になっています。「目の健康を維持する機能があります」「お(なか)の調子を整える機能があります」といった体への効果を、国による厳しい審査なしに、メーカー自身の責任で商品に表示できる「機能性表示食品」が認められたからです。

     この制度は、加工食品であるサプリメントから生鮮食品である野菜まで,幅広い商品が対象となります。この4月1日に導入され、早ければ6月頃には、新たな表示がつけられた商品が市場に登場するだろうと言われています。

     これまで、食品の機能性表示が認められていたのは「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」の二つであり、それ以外の食品で機能性を表示することはできませんでした。この新制度は、それら二つの食品に続く、「第3の健康食品」などとも巷では呼ばれているようです(厳密には、「第3の機能性表示食品」と呼んだ方が正確かと思います)。

     食品業界などでは、この制度導入が大きなビジネスチャンスになると捉えられている反面、この制度の活用の仕方次第で企業の淘汰(とうた)が進むなどとも言われており、関心が高まっています。

     読売新聞の記事によれば、想定される表示例(生鮮品の場合)として、「β-クリプトキサンチンを含み、骨の健康を保つ」温州ミカン、「肝臓の機能をサポートする」「胃の調子を整える」ブロッコリー、「メチル化カテキンを含み、目や鼻の調子を整える」緑茶、「ルテインを補い、目の健康を維持する機能がある」寒締めホウレンソウ、「β-グルカンが正常な血糖値の維持に役立つ」大麦などが挙げられています。ほかにも、様々な食品で従来なかった表示を目にすることになりそうです。

     確かに消費者にとっては、健康への効果が分かり易く(やす)なり、自分が求めている機能に応じて食品を購入できるというメリットがありそうですが、他面、国の審査なしに健康への効用を表示できることから、効果の怪しい食品が出回るのではないかとの危惧も出ています。

     今回は、この新しい食品表示制度についてご説明したいと思います。

    食品表示法の施行

     食品表示ラベルの記載内容の統一などを目的にした食品表示法が、4月1日から施行されました。2009年、新たに消費者庁が発足したことを契機とし、それまで厚生労働省(食品衛生法や健康増進法)、農林水産省(JAS法)など、複数の省庁で、個別に所管されていた食品表示に関する法制度が一元化されることになりました(食品表示に関する包括的かつ一元的な制度の創設)。

     その結果、2013年に食品表示法が制定され、この4月1日から施行されたわけです。それに伴い新たにスタートするのが「機能性表示食品制度」です。 

     同制度の定める安全基準を満たした健康関連食品について、「具体的に健康にどのように効く商品か」を、国の審査なしに、企業の自己責任で公表できるようになります。

     ちなみに、この新制度は安倍内閣の成長戦略の一環とされています。安倍総理は、2013年6月、成長戦略に関する次のようなスピーチを行っており、これを受けた制度が今回の機能性表示食品制度であるわけです。

     「健康食品の機能性表示を解禁いたします。国民が自らの健康を自ら守る。そのためには、的確な情報が提供されなければならない。当然のことです。現在は、国から『トクホ』の認定を受けなければ、『強い骨をつくる』といった効果を商品に記載できません。お金も、時間もかかります。とりわけ中小企業・小規模事業者には、チャンスが事実上閉ざされていると言ってもよいでしょう。 アメリカでは、国の認定を受けていないことをしっかりと明記すれば、商品に機能性表示を行うことができます。国へは事後に届け出をするだけでよいのです。 今回の解禁は単に、世界と制度をそろえるだけにとどまりません。農産物の海外展開も視野に、諸外国よりも消費者にわかりやすい機能表示を促すような仕組みも検討したいと思います。目指すのは、『世界並み』ではありません。むしろ、『世界最先端』です。世界で一番企業が活躍しやすい国の実現。それが安倍内閣の基本方針です」

    2015年04月08日 10時45分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    蒲俊郎 (かば・としろう
    弁護士(第二東京弁護士会所属)
    城山タワー法律事務所代表
    http://www.shiroyama-tower.com/
    桐蔭法科大学院・教授
    http://toin.ac.jp/lawschool/teacher/kaba/
    桐蔭法科大学院・法科大学院長
    http://toin.ac.jp/lawschool/info-top/message2/
    日本法律家協会会員、日本私法学会会員、情報ネットワーク法学会会員他
     専門分野は、電子商取引全般、労働事件(使用者側)、会社商事関係全般等
     多数の企業の顧問弁護士として日々活動するほか、複数の上場するネット企業の社外監査役なども務める。他方、2010年4月、ロースクールのトップである法科大学院長に就任し、多忙な弁護士業務の傍ら、次の時代を担う法曹の育成にも注力している。
    大手町モールのおすすめ
    帆布鞄
    PR情報
    大手町モール
    ブランディア
    アーカイブ