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    セクハラやパワハラ、ネット犯罪に対処するための法律の知識が身に着くコラム。

    執拗な電話や督促 「送りつけ商法」を撃退するには?

    相談者 F.Tさん

    • イラストレーション・荒木田美咲
      イラストレーション・荒木田美咲

     私は今年で77歳になりますが、3年前、夫に先立たれ、今は1人で暮らしています。子供たちは、私のことを気遣って同居しようと言ってくれるのですが、体が動くうちは1人で気ままに暮らす方が良いと思い、子供たちの申し出は断って、近所の人たちが集う太極拳のサークルや俳句の会などに入って毎日楽しく過ごしています。夫が(のこ)してくれた財産や年金収入もあって、生活にはいくらかゆとりもあり、周りからはうらやましがられています。

     そんな私のところに、ある日突然、聞いたこともない会社から男性の声で電話がかかってきました。最初は、「最近寒くなりましたねえ」といったあたりさわりのない話だったのですが、そのうち健康維持のためにどうすれば良いかという話題になりました。私も健康には関心がありましたし、電話だけなら問題ないだろうとついつい話し込んでしまいました。

     私が、年を取ると骨折が怖いので自分も転ばないように注意しているといった具体的な話を始めると、急に特定の商品名を持ち出して、「グルコサミンと高麗人参が入っていて骨に良いものがありますよ」などといったセールストークが始まりました。私が、毎朝太極拳で体を動かしているので健康食品までは必要ないと言っても、執拗に勧誘してくるので、やむなく途中で電話を切ったところ、その後も何度も電話がかかってきます。しばらく電話に出ないで無視していたところ、突然、電話で話題になった健康食品が宅配便で送られてきました。箱の中には、商品と一緒に、現金書留の封筒が同封されており、私の氏名のほかに、商品代として3万円の金額が記入され、支払先の住所や業者名が指定されていました。

     私は何かの間違いだと思って放置しておいたのですが、数日後にその業者から電話がありました。「注文した覚えがないので引き取って欲しい」とお願いしたのですが、相手は間違いなく電話で注文したと言い張り、やがて、「人をバカにしているのか。お前のためにあれだけ長時間電話で話をして注文取ってやって、わざわざ薬作ったのに、ふざけるな。誰のために時間を使ったと思っているのか」「年金が入ったらすぐに代金を支払え」などと怒鳴(どな)り始めました。

     私があまりのことにおびえて何も言えないでいると、その業者は、急に冷静な声になって、「あなたが注文した内容は全部録音してありますから、出る所に出てもいいんですよ。裁判所に行きますか」「そこまで言われるなら、録音したテープを持って、お宅にうかがいましょうか」などと言い始めました。私はとっさに子供に相談すると言って電話を切ったのですが、その後も電話が鳴りやみません。やがて、支払いを督促する電報まで届きました。

     子供たちに相談すると、それは絶対におかしいから警察に相談した方が良いと言っています。ただ、私も年のせいか、電話の時の記憶にあやふやなところがあります。もしかすると商品を申し込むような発言をしたかもしれないと思うと、警察に相談してもうまく説明できる自信はなく、ためらいもあります。私はどうしたら良いでしょうか?(最近の事例を参考に創作したフィクションです)

    回答

    2013年消費者問題に関する10大項目

     2013年12月、国民生活センターは、毎年恒例の「消費者問題に関する10大項目」を公表しました。これは、その年に消費者問題として社会的注目を集めたものや、消費生活相談が多く寄せられたものなどから選定したもので、世相を表したものとして注目を集めています。

     2013年の10大項目は以下のものとなっています。
     <1>高齢消費者トラブルが6年連続で増加 相談全体の3割にまで
     <2>「健康食品の送りつけ商法」が激増 昨年同時期の約10倍
     <3>依然として多い投資トラブル 広がる劇場型勧誘(買え買え詐欺)
     <4>ホテルや百貨店でのメニュー表示問題が相次ぐ
     <5>薬用化粧品による白斑トラブルが発生
     <6>トラブルの国際化 海外インターネット通販が急増
     <7>ネットサイト関連の相談が上位を占める アダルトサイトは老若男女問わず
     <8>「偽装質屋」が登場 サラ金の相談は6年連続で減少
     <9>進む消費者関連法の整備 「地域体制の在り方」の検討もスタート
     <10>国民生活センターの在り方 独立行政法人「中期目標管理法人」が示される

     今回は、この<2>の問題についてのご相談となります。また、後述のように、この事案の被害者の多くが高齢者であることから、本相談は、<1>にも関わるものとなります。なお、上記項目の<4>については、本連載「伊勢エビ偽装の宴席で大恥、料理店の法的責任は?」(13年12月25日)、<7>については、同「4クリック詐欺、動画「見放題」にひそむワナ」(13年5月22日)などをご参照頂ければと思います。

    健康食品の送りつけ商法

     1月15日、埼玉、静岡、茨城、福井県警の合同捜査本部は、東京都新宿区の健康食品会社が商品を一方的に送りつけて現金をだまし取ったとされる事件で、その指示役のIT関連企業社長らを詐欺容疑で逮捕しました。逮捕容疑は、13年4月に、商品を注文していない三重県の女性(61歳)に「あなたから注文を受けたアンチエイジングのサプリメントができた」などと電話して商品を送りつけ、代金引き換えで2万4800円をだまし取ったという内容となっています。

     このような手口は「送りつけ商法」と呼ばれており、国民生活センターは、13年5月23日、「高齢者を狙った健康食品の送りつけ商法が急増!申し込んだ覚えがなければ絶対に受け取らない、お金を払わない!」と題する資料を発表し、注意喚起を促しました。これは、「以前お申し込みいただいた健康食品を今から送ります」などと、高齢者に突然電話があり、申し込んだ覚えがないと断ったのに健康食品を強引に送りつけられるというトラブルが急増したことによります。業者から「申し込んだのだから払え」と高圧的に言われ、押し切られて購入を承諾してしまう事例も多く見られるとのことです。

     国民生活センターの資料には、同種の事案が幾つも取りあげられていますが、そのうちの一つの相談事例を、ご参考までに、次に引用したいと思います。

     数日前電話があり、3か月前に注文を受けた健康食品が出来あがったので送ると言われ、記憶がないと答えたところ、1年分注文を受けていると言われた。どういう商品かを尋ねたところ、糖尿病によいと言っていた。金額は12万円と言うので、そんなにお金はないと答えたら、3か月分約2万円ならどうだと言い、翌日、代引き配達で商品を送ると一方的に話を進められ、頭の中が混乱した。翌日、商品が届いたが、近所の人に相談して受け取り拒否をすることに決め、代引き配達業者の配達員に持ち帰ってもらった。その翌日、健康食品販売業者から、「なぜ受け取らなかったのか」などと怒って電話があり、30分以上もまくし立てられるように支払いを迫られ、恐ろしくなった。翌日、再び商品が送られてきたので、約2万円を支払えば恐怖から解放されると思い、諦めて支払ってしまった。知人に相談したところ、だまされていると言われますます不安になった。健康食品は不要なので、返品し、可能であれば返金してほしい。また、今後の勧誘をやめてほしい。

    被害者の多くが高齢者

     この相談事例の相談者は80歳代の女性とのことであり、同資料によれば、トラブルにあう人の大半が高齢者であり(平均年齢74.3歳)、申し込んでいないと言っても、販売業者は「ボケているんじゃないか」などと言い、高齢者の判断能力低下に乗じた勧誘がされているとのことです。なかには認知症の診断を受けていて、消費者が本当に注文したのかどうか、事実確認が困難となっている例すらもあるようです。

     こういった悪質業者が引き起こすトラブルに対し、消費者庁は積極的に行政処分を行っています。たとえば、消費者庁は、13年2月26日に株式会社かなめ堂、同年7月4日に株式会社健洋堂、同年8月27日に日本ヘルスケア株式会社など3社に対し、それぞれ業務停止命令などの行政処分を行っています。

     上記のうちの1社に関して認定された事実を、次に参考までにご紹介しますが、極めて悪質な内容となっています。

     業者は、消費者に対し、電話でいきなり「注文をいただいたサプリメントが用意できましたので、送ります」「セットで注文していた健康食品の『延寿』の準備が整いましたので、送らせていただきます」などと告げ、商品の受け取りを拒否した消費者に対し、「人をバカにしているのか。10月は、お前のためにあれだけ長時間電話で話をして注文取ってやって、わざわざ薬作ったのに、ふざけるな。誰のために時間を使ったと思っているのか」などと声を荒らげたり、あるいは、「あなたが注文した内容は全部録音してありますから、出る所に出てもいいんですよ。裁判所に行きますか」「そう言われるなら、録音したテープを持って、お宅に伺いましょうか」などと告げたりしたとのことです。

    新たな手口が登場

     上記手口が社会問題となったことを契機に、宅配便業者がサービスを悪用されないよう利用時の審査を強化するようになりました。たとえば、日本郵便は13年7月から、「ゆうパック」でも、警察などから情報提供のあった悪質業者の依頼を断るようになりました。前記のように、当初の「送りつけ商法」は、代引き決済を前提としていましたので、同決済が認められないと悪質業者は金銭取得の方法を失ってしまうことになります。

     しかし、このような動きの裏をかくようにして登場したのが、今回の相談のような、代引き決済を利用しない形態の新たな手口によるケースです。新しい手口では、最初から商品と一緒に、消費者の名前と住所が既に書かれた現金書留封筒を同封して送りつけた上、その後に電話をかけてきて、代金を郵送するよう消費者に指示するものです。指示する際には、業者は脅すような口調で支払いを迫り、怖くなった消費者は指示に従いお金を送ってしまうこともあるのです。

     今回相談の事案は、いわゆる健康食品送りつけ商法の新しい手口が用いられたケースということになります。

    これら手口の問題点

     これらの手口によるトラブルが不当であることは言うまでもありませんが、具体的には、業者のどのような具体的行動が、法律的に問題になるのかについて、以下、簡単にまとめてみたいと思います。なお、いずれも特定商取引法に根拠条文がありますが、細かい話ですので条文は省略します。

    <1>再勧誘

     事業者が、消費者が「頼んでいない」「注文していない」などと商品の売買契約の締結をしない旨の意思表示をしたにもかかわらず、その電話で、または再度電話をかけ直して、引き続き勧誘をすることなどが該当します。

    <2>威迫・困惑

     事業者が、電話での勧誘をするに際し、商品の売買契約の締結をしない旨の意思を表示した消費者に対し、「データが残っている」と高圧的な口調で、あるいは「○○さんに頼まれて、○○さんのために作ったものです。そんなことを言われても、あんたの勝手じゃないか」と声を荒らげ、脅迫めいたことを告げる場合などが該当します。

    <3>勧誘目的不明示

     事業者が、電話勧誘販売に係る商品の売買契約の締結について勧誘をするに際し、それに先立って、商品の売買契約の締結について勧誘するためのものであることを消費者に告げない場合などが該当します。

    <4>判断力不足便乗

     事業者が、電話勧誘販売に係る商品の売買契約の締結について勧誘をするに際し、消費者が認知症であることを認識しながら継続して勧誘を行って、老人の認知症による判断力の不足に乗じ、商品についての売買契約を締結させた場合などが該当します。

    <5>判断に影響を及ぼすこととなる重要なものに関する不実告知

     事業者が、電話での勧誘をするに際し、消費者にとっては注文した覚えのない商品を「○月○日に頼まれた商品ができましたので送ります」と告げるなど、売買契約に関する事項であって、購入者の判断に影響を及ぼすことになる重要なものについて不実のことを告げた場合などが該当します。

    <6>不実告知

     事業者が、電話勧誘販売に係る商品の売買契約の締結について勧誘をするに際し、商品にそのような効能がないにもかかわらず、「この商品は、がんにも効きます」などと商品を摂取することで特定の病気の予防または治療ができるかのように不実を告知した場合などが該当します。

    <7>迷惑勧誘

     事業者が、電話での勧誘をするに際し、商品の売買契約を締結しない旨の意思を表示した消費者に対し、なおも勧誘を続け、「仕方がないですね。1回でもいいです」「宅配便で商品と一緒に、2回目と3回目の商品の解約手続きの用紙を送るので、1回だけにしてくださいと書いて、その用紙を送り返してください」「1回はお送りしますが、後の2回分はキャンセルしておきます。商品と一緒にキャンセルの用紙を送りますので」などと告げ、消費者が断りにくい状況にして勧誘し、消費者が「しょうがないので、1回だけならお支払いします」などと言い出すまで、執拗しつように勧誘を続ける場合や、契約後、あたかも消費者自身の非による契約解除に応じたかのような解除合意書を返送させるなどの迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘を行っていた場合などが該当します。

    <8>書面記載不備

     事業者が、電話での勧誘をし、商品の売買契約の締結をした際に、消費者に対し交付している当該売買契約の内容を明らかにする書面に、法令で記載を義務付けている(1)契約の申し込み又は契約締結の年月日(2)商品の商標または製造者名などの事項についての記載がない、また、クーリング・オフに関する事項について記載に不備がある場合などが該当します。

    どのように対応すれば良いのか?

     国民生活センターでは、ご相談のような事案について、HP上で、次のようなアドバイスを掲げています。

    <1>断ったにもかかわらず一方的に送りつけられた場合、商品を受け取り拒否すること。

    <2>電話で勧誘され承諾してしまった場合、クーリング・オフできる。

    <3>周りの方へ:高齢者がトラブルにあっていないか見守ること。

    <4>困ったことがあれば、すぐにセンターに相談すること。

    <5>事実でないことを言われて勧誘をされたり、勧誘時に脅される等、恐怖を感じることがあれば、警察にも相談すること

     この中で<1>が重要であることはいうまでもありません。心当たりのない宅配便や、勝手に送りつけられてきたものは安易に受け取らないことが肝要ということです。受け取りたくなければ、宅配業者に「受け取りません」と伝えれば良いだけです。受け取りを拒んだら、宅配業者に迷惑をかけることになるかもしれないなどと考える必要は全くありません。ちなみに、国民生活センターでは、配達物が届く時には家族に一言言っておくようにしておき、確認が取れない荷物は、とりあえず受け取らないようにルールを作ることで、誤って誰かが商品を受け取ってしまうことを防ぐという自衛のための手段を提示しています。

     なお、「申し込んだだろう」と電話で言われ、断りきれずに承諾してしまった上で商品が届いた場合であっても、特定商取引法に定める電話勧誘販売に該当する以上、消費者は、同法で定められている書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフをすることができますから、基本的には<1>と同様の対応を取ることが可能です。

     それでも業者が色々と脅迫じみたことを言ってくる場合には、国民生活センターに相談し、さらに身の危険や恐怖を感じるようであれば、速やかに警察に相談するべきです。冒頭でご紹介したように、事案の態様によっては、警察が刑事事件として対応してくれるでしょう。業者としては、刑事事件に発展することが一番怖いわけですから、直ちに督促などはこなくなるはずです。

    それでも受け取ってしまったら

     どんなに注意していても受け取ってしまうこともあるでしょう。この点、警視庁のHPには、一方的に商品が送りつけられてきた場合の対応として、次のような、非常にシンプルな方法が記載されています。

    <1>商品を返送する意思がある場合→送り返す。

    <2>商品を返送する意思がない場合→送り返さなくとも問題はない。

    <3>請求書がしつこく送られてくる場合→受領拒否する(請求書の入った封筒を開封せず、「受領拒否」と朱書してポストに入れて送り返す)

     本件で重要なのは、消費者が注文したわけではない以上、売買契約が成立していないという点です。一方的に商品を送りつけてくる行為は、売買の「申し込み」に過ぎないのであって、それを受け取って返品しないからといって、買ったということにはなりません。そういう意味では、本来、<1>のような対応を取る必要すらないわけです。上記HPは、いつまでも手元に置いておくのは何となく気持ち悪いでしょうから、送り返しても良いですよという程度に考えればよろしいかと思います。

     ただ、実は、送り返すというような面倒で手間のかかる対応を取らなくとも、法的には、単純に何もしなければ良いだけということは知っておいた方が良いかと思います。後述するように、<2>に書かれているとおり、送り返さずに放置しておいても、何ら問題はありません。

    商品を送り返さなくても問題ない

     一般の方にしてみれば、警視庁HP<2>のような対応をとっていつまでも返品しないで持っていると、申し込みに応じたものとみなされてしまうのではないかと不安に思うのは十分に理解できるところですが、そのような心配は無用です。特定商取引法は、こういう場合に備えて、売買契約に基づかず一方的に商品を送りつけられた場合において、消費者が契約の申し込みを承諾せず、業者も商品を引き取りに来ないときは、商品の送付があった日から14日間経過したときに、業者は商品の返還を求めることができないと規定しています。つまり、商品の送付があった日から14日間たてば、自由に処分することができるわけです。ちなみに、14日間も待てないという場合には、送りつけた業者に対し「引き取ってほしい」と要求すれば、法的には7日後には自由に処分することができるとの解説もみかけますが、確かにその通りではあるものの、そのような業者に自ら連絡を取ること自体がリスクであり、わずか7日間の差ですから、放置しておいた方が良いかと思います。

     以上のように、警視庁HP<2>に記載されているとおり「送り返さなくとも問題はない」わけです。なお、送られてきた物品を上記期間内に使用・消費してしまった場合には、申し込みに応じたものとして扱われてしまう可能性がでてきますので注意が必要です。ただ、梱包こんぽうを開いただけでは使用や消費にはあたりません。

    無視するのが一番

     以上のように、何しろこういう商法に対しては、基本的にきっぱりと断るのが大事であり、一方的に商品が送られてきても、慌てずに基本的には何もせずに無視するのが一番の対応だと思います。上記<2>のように、送り返さずそのままにしておいても、法的には何ら問題はないのです。

     一番よくない対応は、業者から「4回コースになっているが、残りの3回はキャンセルしてあげる」などと言われて、1回分を支払うだけで恐怖から解放されるならと思って支払ってしまうことです。そもそも、支払い義務がないのですから、いかに少額であっても支払うべきではありませんし、そのような対応をしてしまうと、そういう業者間のブラックリストに載ってしまって、かえって、新たに別の業者から別の健康食品が送られてくるといった事態を招いてしまうことになります。

     何しろ、業者側からの連絡には一切対応しない、何を言われても無視する、それでも色々言ってくる場合には、国民生活センターや警察に相談するのが一番です。

    「弁護士協会」を名乗る電話も

     なお、最近手口がますます巧妙になってきて、「弁護士協会」と名乗るところから「健康食品販売業者からファクスをもらった。あなたがかなり怒っているということだが、受け取り拒否しているので損害が発生している。申し込みを受けた証拠のテープもあるのであなたを訴える。裁判を起こすのに30万円かかる」などという電話がかかってきたりすることもあるようです。もちろん、通常は、弁護士やその関わる団体が、こうした業者側の立場にたって、高齢者から代金回収を図ることなど考えられませんが、もっともらしい名称の団体からの督促を装って、高齢者の不安につけ込むというように、今後もますます手口が巧妙になっていくと思います。何しろ少しでもおかしいと思ったら、身近の人や、国民生活センターなどに直ちに相談するのがよろしいかと思います。

     冒頭でご説明しましたが、残念なことに、この手の商法の標的となるのは、ほとんどが高齢者であり、業者側は、高齢者の判断能力低下に乗じた勧誘をしてきます。海千山千の業者に対して、高齢者が一人で対抗するのは限界があることは明らかであり、国民生活センターのアドバイスにもあるように、家族の方や周りの方々による見守りが不可欠かと思います。

    2014年02月12日 08時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    蒲俊郎 (かば・としろう
    弁護士(第二東京弁護士会所属)
    城山タワー法律事務所代表
    http://www.shiroyama-tower.com/
    桐蔭法科大学院・教授
    http://toin.ac.jp/lawschool/teacher/kaba/
    桐蔭法科大学院・法科大学院長
    http://toin.ac.jp/lawschool/info-top/message2/
    日本法律家協会会員、日本私法学会会員、情報ネットワーク法学会会員他
     専門分野は、電子商取引全般、労働事件(使用者側)、会社商事関係全般等
     多数の企業の顧問弁護士として日々活動するほか、複数の上場するネット企業の社外監査役なども務める。他方、2010年4月、ロースクールのトップである法科大学院長に就任し、多忙な弁護士業務の傍ら、次の時代を担う法曹の育成にも注力している。
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