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    セクハラやパワハラ、ネット犯罪に対処するための法律の知識が身に着くコラム。

    マイナンバー制度いよいよ開始 どう対応すれば良い?

    相談者 AKさん(54)

    • イラストレーション・橋本真貴子
      イラストレーション・橋本真貴子

     私は、食品会社で経理課長をしています。国民や企業に番号を割り当てるマイナンバー制度が10月から始まり、社内でも話題になっています。先日も、パートの女性従業員からこんなことを聞かれました。

     「マイナンバー制度を悪用した詐欺があるってニュースで見ましたよ。個人情報の漏えいとか怖いし、パートだから通知が来ても会社に番号を知らせなくていいですよね」

     「いや…、確か従業員は全員対象だったはずだが」

     返答に困っていると、女性は「だって住所や収入だけじゃなく、通院歴や光熱費とか生活実態が筒抜けになっちゃうっていう(うわさ)ですよ……。そんな大事な情報、うちの会社でちゃんと管理できます?」と不安そうでした。

     来年からは、給与からの源泉徴収や社会保険の加入などでマイナンバーの利用が本格的に始まるそうです。今後、従業員とその扶養家族の番号を集め、必要書類に記載し、厳重な管理をしなければいけないようですが、わが社では担当者もまだ決まっていなければ、管理体制もとても万全とは言えない状態です。

     実を言うと、私自身、この制度の細かい内容や、それによってどんな影響があるのか十分に理解しているとは言えません。

     でも、先日の新聞では、そろそろ、マイナンバーが記載された通知カードが各家庭に届くということであり、それが届けば従業員からの問い合わせもありそうですし、さすがに、もう準備を始めないと手遅れになってしまう気がして、焦りが募るばかりです。

     マイナンバー制度の内容と、これから何をしなければならないかを詳しく教えてください。

     

    (回答)

    いよいよ動き出したマイナンバー制度

     いよいよマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)が10月5日から始まりました。制度導入に伴い、国民一人ひとりに12桁の番号(マイナンバー)が割り当てられ、来年1月から、「社会保障」、「税」、「災害対策」の3分野で行政手続きに利用されることになります。この制度は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(いわゆる「マイナンバー法」)に基づくものです。

     マイナンバーを使った行政手続きが広がれば、国民は役所に提出する書類が減り、国は年金の不正受給や脱税などの不正行為を防ぎやすくなるなどのメリットがあると言われています。一方で、その情報が漏れてしまった場合には、重大なプライバシーの侵害や悪用が起きる危険性もはらんでいます。

     マイナンバー制度の開始にあたっては、自治体や行政機関だけでなく、中小企業も含めた全ての民間企業において対応が必要となりますが、報道によれば、中小企業でマイナンバー制度への準備を整えたところは、いまだに、わずか7%程度とのことであり、相談者の勤める企業のように、その体制整備が急務となっています。

    住民登録地に送付

     相談者も指摘されているように、マイナンバーが記載された「通知カード」は、10月5日時点で住民登録している場所に、家族分まとめて世帯ごとに簡易書留で送られます。

     政府は、カードの届く時期について、10月20日頃から11月中になるとの見通しを発表しており、まだ皆さんのところには届いていないと思います(大都市ほど遅くなる見通しとのことです)。

     また、市区町村によって発送時期が異なりますので、知り合いのところに届いているのに自分のところに届いていないと心配する必要は必ずしもありません。

     ただ、なかなか通知カードが届かず心配という人は、市区町村ごとの発送状況が、個人番号カード総合サイトで確認できるので、そちらを閲覧してもよいかと思います。

     同制度は10月5日時点で住民票がある人のすべてが対象ですから、赤ちゃんも含みます。外国人でも日本で住民登録していれば番号が割り当てられますが、日本人であっても、日本に住民票がない場合は、帰国して住民登録しないと番号は割り当てられません。

     そして、この番号は、漏えいして不正利用される恐れがある場合を除いて、生涯同じ番号を使い続けることが前提となっており、住民票を移しても変わることはありません。

     なお、この「通知カード」と、いわゆる「マイナンバーカード」(個人番号カード)は異なります。通知カードには、マイナンバーカードの申請書(「個人番号カード交付申請書」)が付いており、それによって申請すると、顔写真が入ったマイナンバーカードが無料で交付されることになっています。

     マイナンバーカードは、運転免許証などと同様に身分証明書として利用でき、今後、自治体によっては公立図書館の貸出カードや印鑑証明書など様々な用途に広がることが想定されます。

    2015年10月14日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    蒲俊郎 (かば・としろう
    弁護士(第二東京弁護士会所属)
    城山タワー法律事務所代表
    http://www.shiroyama-tower.com/
    桐蔭法科大学院・教授
    http://toin.ac.jp/lawschool/teacher/kaba/
    桐蔭法科大学院・法科大学院長
    http://toin.ac.jp/lawschool/info-top/message2/
    日本法律家協会会員、日本私法学会会員、情報ネットワーク法学会会員他
     専門分野は、電子商取引全般、労働事件(使用者側)、会社商事関係全般等
     多数の企業の顧問弁護士として日々活動するほか、複数の上場するネット企業の社外監査役なども務める。他方、2010年4月、ロースクールのトップである法科大学院長に就任し、多忙な弁護士業務の傍ら、次の時代を担う法曹の育成にも注力している。
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