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    30代、40代女性の恋の悩みに、恋愛・結婚・人間関係コンサルタントの木村隆志さんがアドバイス。

    新婚10日目で別居、募る不信感…離婚するしかない?

    婚活によるスピード婚の副作用

     新婚というと、「幸せの絶頂」というイメージを持つ人が多いのですが、必ずしもそうとは言えません。

     1990年代後半、新婚旅行後にスピード離婚する「成田離婚」という言葉が話題を集めましたが、20年近く過ぎた現在でも、似たようなケースが増えているのです。

     相談者の晴奈さん(仮名、34歳)は、婚姻届を提出してから、わずか10日目に夫(40歳)との新居を出てしまいました。それから5日後、「新婚即別居」という異常事態から抜け出すべく、私のもとを訪れたのです。

     晴奈さん「新居を出るなんてまったく考えていなかったのですが、どうしても我慢ができませんでした。婚姻届を出してからの10日間で3、4回くらい『この人とはもうやっていけない』と思ってしまったんです。それくらい『ありえない』と思うことばかりで……」

     木村「その10日間で何があったのでしょうか?」

     晴奈さん「いろいろとショックを受けることがありました。新婚なのに10日のうち4日も飲みに行って深夜に帰ってきましたし、スーツに料理やお酒をこぼして汚したり、ネクタイだけ取ってそのまま寝てしまったり、とにかくだらしがないんですよ。何かを食べてもごみを散らかしっぱなし。買ってきた本やスポーツ新聞も一切片付けないので、新居のリビングがアッという間に汚れてしまいました。それと、結婚したとたん、私の親や友人に冷たくなって、自分の親や友人を優先させたことも頭にきています」

     木村「結婚前の交際中には、分からなかったのでしょうか?」

     晴奈さん「(がっかりとした様子で)全然分からなかったんですよ。私は実家暮らしで親が厳しかったこともあって、彼の部屋には一度も泊まりませんでした。夫とは5か月前に婚活サイトで知り合って結婚したのですが、今思えばもっと時間が必要だったのかもしれませんね……」

     木村「実はこのところ、晴奈さんのように『新婚なのに離婚を考えてしまう』女性が増えているんですよ。婚活で意気投合してスピード婚したものの、『交際中と違う』『思っていた人とは違った』と感じて相手を拒絶してしまうのです」

     晴奈さん「(うなずきながら)私もそんな感じですね。『この人とずっと一緒に暮らしていけるのかな』と思うと絶望的な気持ちになりますし、『別れるならできるだけ早いほうがいいのではないか』とも思ってしまうんです」

     木村「単なる好き嫌いではなく、『一緒に暮らす上での相性が悪い』と感じると、相手から逃げ出したくなる人が多いので、ある程度は仕方がないでしょう。また、スピード婚の場合、『一度もけんかをせずに結婚したため、初めてのけんかを乗り越えられずに嫌いになってしまう』という人も少なくありません」

    相手への期待値と依存心が高まっていた

     晴奈さん「交際期間は4か月くらいしかありませんが、その間はずっと仲がよかったんですよ。会う前からメールで意気投合して、二度目のデートで付き合い始めて、それから毎週食事していましたから。だから、おっしゃるように、結婚前はけんかをしたことはありませんでした」

     木村「結婚後、いつからけんかになったのですか?」

     晴奈さん「結婚して5日目の朝3時30分ごろ、酔っ払って帰ってきた彼に私が激怒して、けんかになりました。それから一度話す機会を作りましたが、彼が謝らないだけでなく、翌々日にまた飲みに行ってしまったんですよ。『今日と明日は飲みに行く予定が入っているから』というメールを見て、顔を見るのすら嫌になってしまい、家を出ることにしました」

     木村「家を出た晴奈さんのことを、彼はどう思っているのでしょうか?」

     晴奈さん「怒っている私に対して不満があるみたいです。『それくらいで怒るなよ』ということかもしれませんが、私は笑ってごまかすことができません。『せっかくいい人と結婚できた』と思っていたのに、まったく違う人だったなんて……」

     木村「『幸せの絶頂』という気持ちが急に失われたわけですから、受け入れられないのも当然でしょう。ただ、短期間で『こういう男性かもしれない』『こんな夫になってくれそう』という相手への期待値が高くなったときは、同時に『そうなってほしい』『そうでなければ困る』という依存心も高くなってしまうケースが多いものです。しかも、自分では少しも気付いていないのですが、晴奈さんはどうですか?」

     晴奈さん「(うつむきながら)確かに、『こんな人だったらいいな』という気持ちはありましたし、彼の人柄を1ミリも疑っていませんでしたね……」

     木村「しかし、現時点では『疑いを持っている』というだけで、彼が『本当に駄目な人』『決定的に相性が悪い男性』と決まったわけではありません。決して確定したわけではないですし、まだ考える余地は十分あるという段階でしょう」

     晴奈さん「(首をかしげながら)う~ん…………。なかなかそう思えないんですよね」

     木村「二人の気持ちがすれ違っているのは間違いないので、一度そこをすり合わせようとしてみてはいかがでしょうか。やってみて駄目であれば、離婚を考えればいいわけですから。このようなケースでは、数か月後に『あのときは何であんなに怒っていたのだろう』『けんかで頭に血がのぼってしまっただけ』と笑いながら振り返る人もいるので、焦って結論を出さないほうがいいと思いますよ」

     晴奈さん「(疑い深く)私もそうなれる可能性はありますか?」

     木村「もちろんあります。彼もまだ本音を話していないですし、努力して変わる可能性もあるので、早い段階で投げ出さないようにしてください」

    ――晴奈さんは、新婚早々の離婚危機と彼への不信感にどう向き合えばいいのでしょうか。

    2016年11月28日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    木村 隆志   (きむら・たかし
    コンサルタント/コラムニスト。ティーンから中高年世代まで、幅広い年齢層の相談を受け続け、コンサル数は対面だけで通算2万組超。また、各メディアに毎月20本強のコラムを寄稿している。最新刊『独身40男の歩き方』(CCCメディアハウス)が2016年12月1日に発売。その他の著書に『40歳からはじめる 一生の恋人の見つけ方』(同文舘出版)、『話しかけなくていい!会話術』(CCCメディアハウス)、『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)、『好感度がアップする プラスひと言会話表現605』(こう書房)、『友活はじめませんか? 30代からの友人作り』(遊タイム出版)などがある。
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